鑑賞ノート– category –
映画、ドラマ、アニメ、本など、観たり読んだりした作品について綴るノートです。軽い感想から、物語や登場人物、演出、テーマについて考えた文章まで、作品に触れて感じたことを自分なりに残しています。鑑賞前の参考にも、鑑賞後の振り返りにもなる場所を目指しています。
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鑑賞ノート
芥川龍之介「蜘蛛の糸」を徹底解説:あらすじから原典、多様な解釈まで
芥川龍之介が1918年(大正7年)に発表して以来、日本の近代文学において不朽の名作として語り継がれる「蜘蛛の糸」は、その短い物語の中に、人間性の深淵を覗き込むような問いを秘めている 。本作は、鈴木三重吉が主宰した児童文芸雑誌『赤い鳥』の創刊号... -
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芥川龍之介『運』は幸運か不運か?あらすじと結末の解釈を徹底考察
「もし神様から授かった『運』が、必ずしも心からの幸福を約束するものではなかったとしたら…?」 文豪・芥川龍之介が、そんな根源的で少しぞっとするような問いを投げかける短編小説『運』。あなたはこの物語を読み、主人公の女を「結果的に望みが叶った... -
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老婆は何を教えたか——『羅生門』における生存哲学の伝染
門の前に立つということ 雨が降っている。暮れ方の羅生門の下で、一人の下人が途方に暮れている。長年仕えた主人に暇を出され、行く当てもなく、明日の糧さえ定かでない。彼が直面しているのは「盗人になるか、餓死するか」という選択であるが、じっさいに... -
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【石子と羽男】あらすじ全10話ネタバレ!最終回の感動ラストと見どころ総まとめ
「石子と羽男-そんなコトで訴えます?-」は2022年夏クールで「ドラマ満足度10週連続1位」を達成し、ドラマアカデミー賞5冠に輝いた話題作である。 出典:TBSテレビ 東大卒パラリーガルと高卒弁護士という異色の凸凹コンビが、身近な法律トラブルを解決して... -
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数式で紐解く事件の真相〜天才数学少女と刑事の凸凹バディが織りなす『ハードナッツ!』の魅力
2013年にNHKで放送され、数学と推理を融合させた画期的なドラマ「ハードナッツ! 〜数学girlの恋する事件簿〜」。橋本愛さんの連続ドラマ初主演作として話題を呼んだこの作品は、天才数学女子大生が難事件を数式で解決していくという、これまでにない切り口... -
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『大名倒産』を観て考えた、身の丈に合った店の続け方
映画『大名倒産』を観ながら抱いた素朴な疑問がある。「殿様なのに、なぜこんなに貧乏なのか?」という問いだ。主人公の松平小四郎(神木隆之介)が継いだ越後丹生山藩は3万石の小藩で、25万両(約100億円)もの借金を抱えている。しかし、冷静に考えれば... -
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『ガバリン』再訪|14歳だった僕と、ハッピーエンドが似合わない怪物たち
1986年、僕は14歳だった。レンタルビデオショップの棚に並ぶ、おどろおどろしいジャケットに胸を躍らせていた時代。スティーヴ・マイナー監督の『ガバリン』(原題:House)との出会いも、そんな週末の夜だったはずだ。 数十年ぶりに再会したこの映画は、... -
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なぜ少女は天国を捨てたのか?芥川龍之介「おぎん」の主題と結末の謎に迫る
I. はじめに 芥川龍之介と「切支丹物」 芥川龍之介(1892-1927)は、大正という、日本の近代化が急速に進んだ時代を代表する文学者の一人です。彼の作品は、鋭い知性、古典から西洋文学までを自在に取り入れた多彩な文体、そして人間存在の深淵を冷徹に見... -
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芸術家はミューズに壊されて完成する――手塚治虫原作『ばるぼら』映画版の主題を読む
「漫画の神様」手塚治虫が1973年から74年にかけて描いた大人向け漫画『ばるぼら』。その複雑で独特の作風から長年「映像化不可能」とされてきた同作を、手塚の実子・手塚眞が実写映画化した。 出典:映画.com 主演は稲垣吾郎と二階堂ふみ。撮影監督にはウ... -
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黒澤明『椿三十郎』ネタバレ考察|痛快時代劇が最後に残す苦みとは
黒澤明の時代劇には、力で押し切る映画と、知で斬り込む映画がある。1962年の『椿三十郎』は、明らかに後者である。 しかも、この映画の知性は小難しい理屈ではない。人を見る目、場を読む勘、若さの危うさを一歩引いて眺める冷笑、そして必要なときだけ一...