日記/エッセイ– tag –
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鑑賞ノート
「悪魔と夜ふかし」に見る、テレビに魂を売った男の業
YouTubeでこの映画の予告編をたまたま目にしたのは、もうずいぶん前のことだったように思う。深夜トーク番組の体裁を借りた不穏な空気と、あの独特なフィルムの質感が妙に頭に残っていた。 それからどれだけ時間が経っただろうか。先日ようやく本編を見る... -
鑑賞ノート
機械に判断を委ねる恐怖——1983年の映画が、2026年のAI社会を予言していた件 『ウォー・ゲーム』(WarGames、1983年)
あの頃、ぼくはテレビに釘付けだった 小学生のころ、テレビで何度も見た映画がある。 『ウォー・ゲーム』だ。 当時のぼくにとって、この映画のどこが面白かったかといえば、主人公の少年がコンピュータをいじくり回してハッキングするシーンの格好よさ、そ... -
鑑賞ノート
演じ続けることに疲れた女性の物語――『スオミの話をしよう』を見て考えたこと
五つの顔の奥にあったもの ある夜、ふと考えていた。人を理解するということは、本当に可能なのだろうかと。三谷幸喜の『スオミの話をしよう』を見終えてから、その問いがしばらく頭から離れなかった。 物語の発端はシンプルだ。著名な詩人・寒川の妻、ス... -
鑑賞ノート
円谷英二と伊福部昭が隠れてる81分——「虹男」(1949)
怪奇映画だと思っていた 「透明人間」「ガス人間」「電送人間」——昭和のSF怪奇映画には、こういう「○○人間」系タイトルがある。だから「虹男」というタイトルを見たとき、自然とそのラインを連想した。虹色に発光する何かが人を襲う、あるいは虹の光を浴び... -
鑑賞ノート
愛は祖国に劣る——『陸軍中野学校』が描いた成熟の代償
増村保造監督による1966年の『陸軍中野学校』は、時代劇のスターであった市川雷蔵が、初めて現代劇に主演した異色作である。 実在した日本陸軍の諜報員養成機関を舞台に、士官学校を卒業したばかりの青年・三好次郎が、一年間の訓練を経て一人前のスパイへ... -
鑑賞ノート
あの頃の興奮はどこへ消えたか——『少年探偵団』を読み直して
大人になって読む『怪人二十面相』 正直に言うと、面食らった。『怪人二十面相』を読み始めたとき、それまで読んでいた江戸川乱歩の小説とは明らかに毛色が違うと感じたのである。「屋根裏の散歩者」や「心理試験」のような、じっとりとした人間の暗部を覗... -
鑑賞ノート
5000円で解決する事件、5000円では解決しない動機
きっかけは「水曜どうでしょう」だった。あの番組を通じて大泉洋という人を好きになり、ついでに、彼と一緒にハプニングに巻き込まれていく安田顕のドジっぷりにも、すっかり惹かれてしまった。 出典:SODANE そこから安田顕のファンになり、彼が出演して... -
鑑賞ノート
派手な解決を拒む物語 ― 横溝正史「裏切る時計」の味わい
横溝正史の短編「裏切る時計」を読んだとき、率直に言って拍子抜けした。ミステリーを読み慣れた者にとって、結末はあまりに地味で、ほとんど救いのない形で終わってしまう。だが、そのあっけなさが、かえって新鮮に感じられたのである。 物語は、妻を殺し... -
鑑賞ノート
欠けた三人が揃うとき――『鍵のかかった部屋』のチーム設計
感情で動かない探偵 名探偵には、たいてい動機がある。正義感、使命感、あるいは個人的な執着。エルキュール・ポワロは秩序への信念から動き、コロンボは被害者への共感を隠しながら追い詰める。しかし榎本径(大野智)は、そのどちらでもない。 彼は大手... -
鑑賞ノート
映画を映画として見る、ということ――『ミステリー・アリーナ』を見て
お盆の忙しさがようやく落ち着いた夜、Amazonプライムを開いたら配信されていた。公開が2026年5月だから、もう3ヶ月も経っていない。思ったより早い。予告映像を見たときから気になっていた作品だったので、そのまま再生ボタンを押した。 あらすじをざっく...