日本映画– tag –
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鑑賞ノート
煉獄としての地下通路 ─ 映画『8番出口』、選択と罪の物語
白い回廊に迷い込んだ「世間」の男 蛍光灯だけが灯る、白く無機質な地下通路。タイルの継ぎ目、ポスターの配置、ひとつ先の曲がり角。どこか見覚えがある。いや、確かに見た。この場所を、今しがた通ったばかりだ。 映画『8番出口』(2025年、監督・川村元... -
お店と日々
肘をぶつけて、目薬をさして、歩いて、『8番出口』を観た日
肘をぶつけて、目の薬も続けた朝 朝、犬を庭に出そうとしたとき、ドアノブで肘の外側をぶつけた。 肘の少し外側というか、腕を曲げたときに出る筋肉のあたりがずっと痛い。たぶん打撲だと思うけど、こういう小さな痛みが地味に気になる年齢になってきた。 ... -
鑑賞ノート
『十三人の刺客』あらすじと結末|武士道を解体する1963年版の凄み
作品の基本情報 『十三人の刺客』は、1963年に公開された工藤栄一監督の時代劇映画である。 江戸時代を舞台に、暴君として恐れられる松平斉韶を討つため、十三人の刺客が命がけの作戦に挑む。後半の長い集団戦がよく知られているが、そこに至るまでの緊張... -
鑑賞ノート
『クヒオ大佐』あらすじと結末|嘘を生きた男と、信じたかった女たち
1. 作品の基本情報 本章では、映画『クヒオ大佐』の分析に入る前提として、その製作背景、主要スタッフ・キャスト、批評家からの評価といった基礎情報を整理する。これらの情報は、作品がどのような文脈で生まれ、どのように受け止められたかを理解するた... -
鑑賞ノート
『マイ・ダディ』あらすじと結末|血縁よりも、共に過ごした時間が家族をつくる
序章:はじめに 映画『マイ・ダディ』を観たあと、しばらく頭の中に残った場面や台詞がいくつかあった。派手な仕掛けよりも、父と娘の距離感が少しずつ変わっていくところが印象に残っている。 この記事では、作品の基本情報を整理したうえで、ネタバレを... -
鑑賞ノート
身代わり忠臣蔵』が暴く、大石内蔵助という名の「中間管理職」の悲哀と解放
「大石内蔵助」と聞いて、あなたは何を思い浮かべるだろうか。 おそらく多くの人が、冷静沈着、揺るぎない忠誠心で家臣をまとめ上げ、主君の無念を晴らす、完璧なリーダーの姿を想像するはずだ。しかし、映画『身代わり忠臣蔵』は、その英雄像を鮮やかに裏... -
鑑賞ノート
絞首台の「不在」と、日活の「過剰」——『絞首台の下』を観て思ったこと
『絞首台の下』という題名を見た瞬間、私はまず“ちょっと怖いミステリー”を想像した。 絞首台、首吊り、刑場。そういう直接的な死の気配が、画面のどこかに具体物として置かれている映画だと思った。けれど実際に観ると、絞首刑は出てこない。ここでまず肩... -
鑑賞ノート
辞表が刀になった日|映画『サラリーマン忠臣蔵』(1960年)が描いた昭和サラリーマンの『仇討ち』
1. はじめに ─ 「忠臣蔵」を会社に持ち込む発想 日本人が最も愛する歴史劇といえば「忠臣蔵」である。元禄15年(1702年)12月、赤穂浪士47名が主君の仇を討つべく吉良邸に討ち入った事件は、義侠心と滅私奉公の物語として、歌舞伎、講談、映画、テレビドラ... -
鑑賞ノート
映画「敵」考察――筒井康隆が描く、老いという名の”見えない敵”
筒井康隆の同名小説を映画化した「敵」は、第37回東京国際映画祭で東京グランプリ、最優秀監督賞、最優秀男優賞の三冠に輝き、公開前から注目を集めていた。だが、この映画を単なる「老人の孤独を描いた作品」として片付けることはできない。 全編モノクロ... -
鑑賞ノート
「体制に敗れた怒り」から「体制を守る矜持」へ――Netflix版『新幹線大爆破』が50年で反転させたもの
2025年4月23日にNetflixで世界独占配信された本作は、1975年東映映画のリブートであると同時に続編的要素を併せ持つ鉄道パニックサスペンスである。 監督は『シン・ゴジラ』の樋口真嗣、主演は草彅剛。配信初週から80カ国以上でTOP10入りし、非英語映画グ...