ロナウドの夢、ここで終幕 スペインは無失点で次の扉へ

ポルトガルの旅が、ここで終わった。

決勝トーナメント第2回戦。相手はスペインである。隣り合う国同士の対戦には、いつも独特の重さがある。だが、この試合にはそれ以上のものがあった。ポルトガルにとっては、ベスト8への道であり、クリスティアーノ・ロナウドにとっては、最後のワールドカップになるかもしれない夜でもあった。

スコアは0-1。
スペインが勝ち、準々決勝へ進んだ。

試合は、派手な打ち合いにはならなかった。ポルトガルもスペインも、相手の怖さを知っていた。少しでも隙を見せれば、そこから試合を持っていかれる。だからこそ、互いに慎重で、互いに緊張していた。

スペインはボールを動かしながら、少しずつポルトガルの守備を動かそうとした。だが、ポルトガルも簡単には崩れない。クロアチアとの決勝トーナメント1回戦を、終盤の劇的なゴールで勝ち抜いてきた国である。ロナウドのPK、ゴンサロ・ラモスの決勝点、そしてVARで取り消されたクロアチアの同点弾。あの試合を越えて、ポルトガルはここへ来ていた。

この夜も、彼らは勝つつもりで戦っていた。

前半から、試合には息苦しさがあった。スペインが支配しようとする。ポルトガルが耐えながら反撃を狙う。どちらかが大きく崩れるというより、少しずつ相手の体力と集中を削っていくような時間だった。

ロナウドにも、すべてが集まっていた。

41歳で迎えたワールドカップ。何度も世界の大舞台でゴールを決め、何度も国を背負ってきた選手である。その姿を見ていると、ひとりの選手というより、ひとつの時代がピッチに立っているようにも見えた。

だが、この試合でゴールは生まれなかった。ロナウドが大きく試合を動かす瞬間も、最後まで訪れなかった。

それでもポルトガルは耐えた。スペインも攻めたが、決定的な一撃をなかなか入れられなかった。時間が進むほどに、試合は延長へ向かうようにも見えた。0-0のまま90分を越えれば、そこから先は体力と精神力の勝負になる。PK戦まで見えてくるような、張り詰めた終盤だった。

しかし、ワールドカップの決勝トーナメントは、最後の数分で世界が変わる。

後半アディショナルタイム、スペインがついに試合を動かした。途中出場のミケル・メリーノが決勝点を決めたのである。

0-1。

出典:FotMob

それは、スペインにとってベスト8への扉を開くゴールであり、ポルトガルにとってはあまりにも残酷な一撃だった。ここまで耐えてきた。延長まであと少しだった。だが、その少しのところで、スペインが勝負を決めた。

ポルトガルに残された時間は、ほとんどなかった。

最後まで何かを起こそうとする姿はあった。だが、スペインはそのまま試合を閉じた。無失点で、1点を守り切った。派手な勝利ではない。しかし、こういう試合を勝ち切る国は強い。得点が少ない試合ほど、ひとつの判断、ひとつの走り、ひとつの交代が重くなる。スペインはその重さの中で、最後に答えを出した。

スペインは準々決勝へ進む。次の相手はベルギーである。アメリカを4-1で破って勝ち上がってきたベルギーとの対戦になる。スペインはここまで無失点を続け、粘り強く勝ち残っている。華やかな攻撃だけではなく、失点しない強さも見せている。

一方で、ポルトガルはここで去る。

この敗退には、特別な静けさがある。ロナウドのワールドカップが終わった、という事実がそこにあるからである。彼のキャリアを語る言葉は、いくらでもある。記録、得点、栄光、批判、衰え、執念。だが、この夜に必要なのは、簡単な断罪ではない。

出典:Yahoo!ニュース – Yahoo! JAPAN

彼は勝つつもりで戦っていた。
ポルトガルも、勝つつもりで戦っていた。

たとえゴールが生まれなかったとしても、たとえ夢がここで終わったとしても、その歩みまで消えるわけではない。ロナウドが長い年月をかけてポルトガル代表に刻んできたものは、この1試合の敗戦だけで消えるものではない。

ポルトガルにとっても、今大会は簡単な道ではなかった。グループリーグを抜け、クロアチアを劇的に破り、スペインと最後の最後まで競り合った。敗れたからといって、そこまでの時間が無意味になるわけではない。

ただ、ワールドカップは残酷である。

勝ったスペインだけが、次の扉へ進む。
ポルトガルは、ここで立ち止まらなければならない。

0-1。
後半アディショナルタイムの一撃が、二つの国の運命を分けた。

スペインはベスト8へ。
ポルトガルの夢は、そしてロナウドの長いワールドカップの物語は、ここで静かに幕を下ろした。

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