2026年3月– date –
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お店と日々
正しさだけでは救えない夜もある──『クロコーチ』に見たアンチヒーローの視線と、カフェで向き合う小さな事件
カフェをやっていると、日々“ささやかな事件”に出くわす。お客さん同士の勘違い、言葉にできない本音、表向きの笑顔と裏腹な空気。警察を呼ぶほどの話ではないのに、人と人の関係はいつだって「裏」と「表」の両面でできている。そんな現実を見ていると、... -
お店と日々
ワールドカップ2026が始まったら、このブログでも毎晩結果をまとめます
サッカーのワールドカップ2026が近づいてきた。 今回の大会は、カナダ、メキシコ、アメリカの3か国共催で行われる。出場国は48か国。これまでよりも参加国が増え、グループもA組からL組までの12組になった。 まずは、出場国と組み合わせを表にしておきたい... -
鑑賞ノート
「タンタラス」「レテ」「トリスタン」――神話の名前が語る呪いの物語
1966年のSFテレビドラマが、なぜシェイクスピアとギリシャ神話の名前を三つも重ねたのか。 偶然ではない。『スター・トレック 宇宙大作戦』第9話「悪魔島から来た狂人」(原題:Dagger of the Mind、1966年11月放送)は、惑星名・登場人物名に「永遠の渇望... -
鑑賞ノート
大人になることが死を意味する惑星――倒錯したピーター・パンと、ミリの涙
ネバーランドでは、子供たちは決して大人にならない。 それは夢の話だ。しかし『スター・トレック 宇宙大作戦』第8話「400歳の少女」(原題:Miri、1966年10月放送)が描くのは、悪夢の版だ。ここでは子供たちは大人になれない——正確には、大人になった瞬... -
鑑賞ノート
「古き者たちの教訓」――自分が作ったものに滅ぼされる、テクノロジーの倫理
はるか昔、Exo-IIIという惑星に「古き者たち」がいた。彼らは高度な文明を築き、自らに仕えるアンドロイドを作った。そしてアンドロイドは、創造主たちを滅ぼした。 理由は単純だった。「古き者たち」の感情的で非論理的な性質が、アンドロイド自身の存在... -
鑑賞ノート
美しさを売る男と、美しさを疑う女――『恐怖のビーナス』が暴く、自己肯定という物語の罠
「自分を信じれば、美しくなれる」 カーク船長はそう言った。そしてイヴ・マクヒューロンは、偽薬を飲んで美しさを取り戻した。物語はそこで幕を閉じる。 だが待ってほしい。カメラはソフトフォーカスを使っていた。完璧なメイクが施されていた。そして「... -
鑑賞ノート
『美食探偵 明智五郎』が照らし出す、孤独と欲望のかたち
人は、何かを食べるとき、ほんのわずかに“弱さ”を見せる。『美食探偵 明智五郎』を見ていると、料理の美しさの裏側に、人間の脆い部分が静かに浮かび上がってくる。その弱さに寄り添うように、明智五郎は淡々と、しかしどこか寂しげに事件へと向き合うので... -
鑑賞ノート
悪なしでは生きられない――『二人のカーク』が問う、自己の闇と転送装置という哲学的装置
カーク船長は、自分の「悪」に向かってこう言った。 「君なしでは生きられない……君は私の力だ……君が必要なんだ。我々は一人の人間の半分ずつなのだから、二人とも生き延びる」 これは敵への降伏ではない。自分自身の暗い側面への、命がけの抱擁だ。 出典:... -
鑑賞ノート
感情は弱さか、力か――『魔の宇宙病』が示す、理性と感情の統合というスター・トレックの哲学
感情を持たないはずの男が、泣いていた。 ブリーフィング・ルームの片隅で、膝を抱えて嗚咽するスポック。彼の口から漏れたのは「私に感情はない!」という叫びだった。感情に押しつぶされながら「感情はない」と叫ぶ——これほど痛烈なアイロニーが、1960年... -
鑑賞ノート
罠の中に自ら入った男――『パイルD-3の壁』が示す、コロンボ最大の逆転劇
コロンボは、わざと負けた。 パイルD-3を掘削する許可を取り、手間とコストをかけ、衆人環視の中で掘り返した。そして何も出なかった。マーカムは勝ち誇り、コロンボは屈辱を受けた——ように見えた。 しかしそれは全て、コロンボの計算の内だった。 『刑事...