2026年9月– date –
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鑑賞ノート
知性の使い道と、1972年のキャシー——『悪の温室』が描く二つの倫理
ジャービス・グッドランドとコロンボ警部補は、どちらも周囲より明らかに賢い。それは疑いようがない。しかし二人が「自分より劣った相手」に対してとる態度は、まるで正反対だ。この非対称が、このエピソードの静かな主題をなしている。 ジャービスにとっ... -
鑑賞ノート
機械に判断を委ねる恐怖——1983年の映画が、2026年のAI社会を予言していた件 『ウォー・ゲーム』(WarGames、1983年)
あの頃、ぼくはテレビに釘付けだった 小学生のころ、テレビで何度も見た映画がある。 『ウォー・ゲーム』だ。 当時のぼくにとって、この映画のどこが面白かったかといえば、主人公の少年がコンピュータをいじくり回してハッキングするシーンの格好よさ、そ... -
鑑賞ノート
演じ続けることに疲れた女性の物語――『スオミの話をしよう』を見て考えたこと
五つの顔の奥にあったもの ある夜、ふと考えていた。人を理解するということは、本当に可能なのだろうかと。三谷幸喜の『スオミの話をしよう』を見終えてから、その問いがしばらく頭から離れなかった。 物語の発端はシンプルだ。著名な詩人・寒川の妻、ス... -
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円谷英二と伊福部昭が隠れてる81分——「虹男」(1949)
怪奇映画だと思っていた 「透明人間」「ガス人間」「電送人間」——昭和のSF怪奇映画には、こういう「○○人間」系タイトルがある。だから「虹男」というタイトルを見たとき、自然とそのラインを連想した。虹色に発光する何かが人を襲う、あるいは虹の光を浴び... -
鑑賞ノート
愛は祖国に劣る——『陸軍中野学校』が描いた成熟の代償
増村保造監督による1966年の『陸軍中野学校』は、時代劇のスターであった市川雷蔵が、初めて現代劇に主演した異色作である。 実在した日本陸軍の諜報員養成機関を舞台に、士官学校を卒業したばかりの青年・三好次郎が、一年間の訓練を経て一人前のスパイへ... -
鑑賞ノート
「給食絶対主義者」甘利田幸男に学ぶ、矜持と滑稽さの間にある誠実さ
タイトルだけでは分からなかったこと 「おいしい給食」という作品名を最初に目にしたとき、正直なところ、よくあるグルメドラマの一つだろうと思っていた。給食をテーマにした学園コメディ、教師と生徒の微笑ましいやり取り——そんな想像の範囲を出ないだろ... -
鑑賞ノート
居場所を探す巡礼——映画『獣道』が描いた、どこにも辿り着けない少女の物語
内田英治監督が2017年に手がけた本作は、実話をベースにしたブラックコメディである。地方都市で生まれた愛衣は、母親が新興宗教にのめり込んでいたこともあり、新興宗教施設、不良グループ一家、平凡な中流家庭などを転々とするも、自分の居場所を見つけ...
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