2026年7月– date –
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鑑賞ノート
江戸川乱歩「百面相役者」考察|Rは百面相役者ではなく、“それを殺した男”なのか
はじめに 江戸川乱歩の短編『百面相役者』は、読了後に「結局、何が真実だったのか」と考えさせる、不思議な余韻を残す作品である。 明確な犯人も提示されず、決定的な真相も示されない。それにもかかわらず、いったんは納得したような感覚を与えられる。... -
鑑賞ノート
スペイン、延長の一撃で世界を取り戻す スペイン 1-0 アルゼンチン
ワールドカップの最後の一試合は、現地時間では夜ではなかった。 ニューヨーク・ニュージャージーの空の下、決勝は午後に始まった。スタジアムには明るさが残り、選手たちは昼の光の中で世界一を争った。だが、日本で見ているこちらにとっては、やはり眠気... -
鑑賞ノート
ストーリーより配役に驚いた1本――2012年『黒の女教師』の話
Amazonで偶然見つけた、見たはずなのに覚えていないドラマ 先日、Amazonをぼんやり眺めていたら「黒の女教師」というタイトルが目に留まった。どこかで見た覚えがある――そう思って調べてみると、2012年にTBSの金曜ドラマ枠で放送された作品だった。榮倉奈... -
鑑賞ノート
吸血鬼はいつから日光で死ぬようになったのか?――1922年「吸血鬼ノスフェラトゥ」
やっと辿り着いた、すべての始まりへ ホラー映画好きとして、死ぬまでに観ておきたい映画がいくつかある。『エクソシスト』『サスペリア』『悪魔のいけにえ』。そうした定番は一通り観てきたつもりだったが、正直に言えば、ずっと避けてきた一本があった。... -
お店と日々
よだかの星と、今夜のパスタ
宮沢賢治の童話に、『よだかの星』という作品がある。 容姿の醜さゆえに仲間外れにされ、鷹から改名まで強要されたよだかという鳥が、ある夜ふと気がつくのだ。自分が生きるために、夜ごと無数の虫を口に飲み込んでいることに。 「ああ、かぶとむしや、た... -
鑑賞ノート
アルゼンチン、終盤の2発でイングランドを沈める イングランド 1-2 アルゼンチン
準決勝の2試合目は、どうしても歴史の音が混じるカードであった。 イングランドとアルゼンチン。1986年、1998年、2002年。ワールドカップでこの2つの国が並ぶと、ただの一試合ではなくなる。古い記憶が勝手に起き上がり、ピッチの芝の下から、かつての歓声... -
鑑賞ノート
スペイン、フランスを沈黙させて決勝へ フランス 0-2 スペイン
準決勝に入ると、ワールドカップはもう大会というより、ひとつの長い物語の終章に近づいてくる。 グループリーグの賑やかさも、決勝トーナメント序盤の混沌も、少しずつ後ろへ遠ざかる。ここまで残った国には、もう偶然という言葉は似合わない。フランスと... -
鑑賞ノート
冗談が裏切った瞬間:『ジョーカー』とBee Geesが紡ぐ悲劇の系譜
冗談が裏切った瞬間:『ジョーカー』とBee Geesが紡ぐ悲劇の系譜 過去に印象に残った動画を久しぶりに見たので、それについて書いていこうと思う。その動画は、2019年公開の映画『ジョーカー』の予告編を編集したもので、Bee Geesの名曲「I Started a Joke... -
鑑賞ノート
無免許医の倫理学:ブラック・ジャックとドクターXに見る”規格外の医師”像の変遷〜「流氷、キマイラの男」(1993年)
はじめに:法の外側で命を救う者たち 医師免許を持たない、あるいは持っていても医療界の枠組みから外れた医師たち。彼らは法や制度の外側に立ちながら、優れた技術で患者の命を救う。手塚治虫が1973年に生み出した「ブラック・ジャック」と、2012年にテレ... -
鑑賞ノート
アルゼンチン、延長の2発でスイスを振り切る アルゼンチン 3-1 スイス
準々決勝の最後の一枚が、カンザスシティでめくられた。 アルゼンチンとスイス。片方は前回王者であり、メッシを中心にもう一度頂点へ向かう国である。もう片方は、長く大きな大会の終盤で壁に跳ね返されてきた国である。スイスにとって、この準々決勝はた...