『地味にスゴイ!校閲ガール』 ファッションショーより、校閲の手順がおもしろい

『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』を見返した。2016年の放送当時にも見ているが、今回いちばんおもしろかったのは恋愛でもファッションでもなく、校閲という仕事の手順そのものだった。

理由ははっきりしている。あの作業は、ブログを書いたあとに自分の記事を読み直す作業によく似ているからだ。


目次

校閲は、書いたものをもう一度疑う仕事

悦子が配属されるのは、出版社の校閲部。原稿の誤字脱字を拾い、内容に間違いや矛盾がないかを確かめる部署だ。

ブログを書いていると、同じことをやる。書き終えた記事をもう一度頭から読み、誤字脱字を探す。それだけでは終わらない。全部読んだうえで話が成り立っているか、書き始めたときの気持ちと書き終えたときの気持ちがずれていないかを確かめる。

最初に「おもしろかった」と書いておいて、最後の段落では不満ばかり並べている。そういうずれは、書いている最中には気づかない。読み直して初めて見える。

当時はまだブログをやっていなかったから、こんなことは考えもしなかった。悦子が細かいことにこだわる姿も、ただの「変わった主人公」として見ていたと思う。書く側に回ってから見ると、あの作業の地味さとしつこさが、ずいぶん身近に感じられた。


ファッションショーは差し絵だと思って見る

一方で、最初はかなりうっとうしかったのが、悦子の衣装だ。第1話から、場面が変わるたびにファッションチェックのような見せ場が入る。話が進むたびに、いったん止まる感じがする。

女子にはいいのかもしれないが,おじさん(10年前はすでにおじさん)には少々キツイ・・・

第3話くらいで慣れた。本の差し絵のようなものだと思えば、気にならなくなる。ただ、慣れるまでに3話かかったというのは、正直に書いておきたい。


石原さとみの「ギリギリ」に助けられ、それでも好きになれなかった

石原さとみは、好きか嫌いかで言えば好きなほうだ。悦子というキャラクターは、一歩間違えればただの押しの強い人になる。それを嫌味の一歩手前で止めているのは、石原さとみの立ち振る舞いと表情だと思う。あれがなければ、もっと早く見るのをやめていたかもしれない。

それでも、悦子という主人公は最初から最後まであまり好きになれなかった。ドラマとして成立していることと、主人公に気持ちが寄ることは別の話だ。


本田翼の森尾が、後半で見えなくなった

好きになれなかった理由はもう一つある。本田翼が出ていたことだ。私にとっては、こちらが本命である。

森尾は悦子の高校時代の後輩で、ファッション誌の編集者。前半の森尾は、妻子ある男との恋愛に悩む表情や、菅田将暉演じる幸人に対して少し気持ちが揺れるところが、とてもかわいらしかった。主人公の悦子がまっすぐ突き進むぶん、迷ったり揺れたりする森尾の顔がよく効いていた。

ところが後半になると、そういう表情があまり見えなくなる。物語が悦子の仕事と恋に寄っていくにつれて、森尾の揺れが脇に追いやられた印象が残った。ここはいちばん残念だったところだ。

主人公より脇の人物に目が行くと、ドラマ全体への点数は少し辛くなる。それでもやっぱり、石原さとみより本田翼のほうがいい。


見返してみて

『校閲ガール』は、恋愛とファッションで華やかに見せるドラマだ。ただ、今の自分にとっての見どころは、その裏で淡々と進む校閲の手順と、前半の森尾の表情だった。

この記事も、書き終えたら一度読み直す。最初と最後で、気持ちがずれていないかどうか。

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