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お店と日々
『セロ弾きのゴーシュ』(宮沢賢治)——関係性が人を変える仕事論
宮沢賢治のセロ弾きのゴーシュを読んでいて、どうしても自分のこれまでの仕事の時間が重なって見えてくる。 ゴーシュは楽団のセロ弾きである。しかし、彼はうまく弾けない。指揮者には叱られ、仲間からも遅れている。ひとりで練習しても、なかなか上達しな... -
鑑賞ノート
太宰治『嘘』を解釈する男の限界。この考察すら「男の錯覚」かもしれない
太宰治が昭和21年(1946年)に発表した短編小説『嘘』。戦後の津軽を舞台にした本作は、一見すると「女の嘘の底知れぬ恐ろしさ」を男性目線から語ったホラーめいたエピソードに思えるかもしれない。 しかし、最後まで読み通すと、その印象はガラリと変わる... -
鑑賞ノート
芥川龍之介『魔術』:欲望と芸術をめぐる深層分析
I. 作品の基本情報 著者、初版発行年、国、ジャンル 芥川龍之介の短編小説『魔術』は、1920年(大正9年)1月に、鈴木三重吉が立ち上げた児童文芸雑誌『赤い鳥』で発表されました 。作者は日本を代表する作家、芥川龍之介(1892-1927)で、この作品は彼の作... -
鑑賞ノート
芥川龍之介『一塊の土』の徹底解説:大正期農村のリアリズムと人間のエゴイズム
I. はじめに:都会の作家が描いた、リアルな農村の人間ドラマ 芥川龍之介といえば、『羅生門』や『蜘蛛の糸』のように、知的で少し難しい作品を書く都会的な作家、というイメージが強いかもしれません。そんな彼が1924年(大正13年)に発表した『一塊の土... -
鑑賞ノート
江戸川乱歩「一枚の切符」徹底解説:ネタバレあらすじと大正ミステリの深層
日本探偵小説の祖、江戸川乱歩。その輝かしいデビューは、1923年(大正12年)4月に雑誌『新青年』に掲載された「二銭銅貨」によって飾られた 。緻密な暗号解読を核とするこの本格探偵小説は、当時の読書界に衝撃を与え、乱歩の名を一躍高らしめた。 しかし... -
鑑賞ノート
芥川龍之介「あばばばば」徹底解説:あらすじから時代背景、母性の深層まで
芥川龍之介の後期を代表する短編「あばばばば」。多くの読者がまずその奇妙な題名に首を傾げるであろう 。「あばばばば」とは一体何を意味するのか。ある者は、作者の精神が錯乱し、意味をなさぬ言葉を発しているのではないかとさえ想像するかもしれない。... -
鑑賞ノート
何かが起こりそうで、何も起こらない夜——永井荷風『或夜』に残る余韻
永井荷風の『或夜』は、派手な事件が起こる小説ではない。人が殺されるわけでもなく、恋が劇的に始まるわけでもなく、主人公の人生が大きく変わるわけでもない。 けれど、読み終えたあとに、妙な寂しさが残る。それは「何も起こらなかった」からこそ残る寂... -
鑑賞ノート
踊る一寸法師と、幼い日の恐怖 ― 僕がホラー映画を好きになった理由
踊る一寸法師と、幼い日の恐怖 僕は映画が好きだ。特にホラー映画が好きだ。けれど、どうしてこんなにも“怖いもの”に惹かれるようになったのかと考えると、その原点はいつも、ひとつの物語に行き着く。 出典:Perrier's 雑文書庫 - FC2 小学生の頃に読んだ... -
鑑賞ノート
「ミステリと言う勿れ」第4話で朗読された名詩――三好達治「乳母車」を読み解く
フジテレビのドラマ「ミステリと言う勿れ」第4話で、雨の中、記憶を失った爆弾犯・三船三千夫が主人公の久能整に向かって一篇の詩を朗読する場面がある。三好達治の「乳母車」である。 出典:シネマカフェ cinemacafe.net 「ラストがいいよな」と呟く三船... -
鑑賞ノート
【徹底解説】芥川龍之介『蛙』- あらすじと万物我中心主義の風刺を読む
1917年(大正6年)、文壇は一人の若き天才の登場に沸いていた。その名は芥川龍之介。前年に発表した『鼻』が夏目漱石から絶賛され、一躍時代の寵児となった芥川は、この年、最初の短編集『羅生門』を刊行し、その地位を不動のものとしつつあった 。こ...