日記/エッセイ– tag –
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鑑賞ノート
蜜柑一袋が、すべてを動かした──乱歩「指環」の小道具術
江戸川乱歩の短編「指環」は、台詞だけで構成された奇妙な小品である。地の文はない。ト書きもない。AとBという二人の男が汽車の中で交わす会話だけが、紙面を埋めている。 読み始めた瞬間は、ただの世間話に見える。しかし数行も進むと、この二人がただの... -
鑑賞ノート
「地底探検」(1959年)/探検は男のロマン、空洞は大人の夢
仕込みを終えて、店が静かになる。エスプレッソマシンの熱が抜け、床に置いた椅子がきしむ小さな音だけが残る夜。私は一人で『地底探検』を再生した。 映画を観る時間は、私にとって読書と同じだ。ページをめくるように、光と影をゆっくり受け取る。今夜の... -
鑑賞ノート
騙されたかった私——江戸川乱歩「赤い部屋」と虚構への欲望
赤い光の中の七人 七人の男が、赤で統一された密室に集まっている。灯りはテーブルの上の大きなロウソク一本だけ。揺れる炎が壁を染め、男たちの顔に影を落とす。 江戸川乱歩の短編「赤い部屋」(1925年)は、この息が詰まるような舞台装置から始まる。集... -
鑑賞ノート
朝食とともに過ごした「有閑倶楽部」の複雑な1ヶ月
2007年に放送されたドラマ「有閑倶楽部」を、配信で視聴し終えるまでに1ヶ月かかった。朝ごはんを食べながら、少しずつ、本当に少しずつ。一気見できなかった理由は複雑だ。このドラマは、面白いのか面白くないのか、自分でもよくわからない、不思議な作品... -
鑑賞ノート
「全部お見通しだ!」の爽快感と、救われない結末のビターな味。
2000年、ミレニアムに沸いたあの年の夏。金曜の深夜、ひっそりと始まった一本のドラマがある。その名は『TRICK』。自称・天才マジシャンの山田奈緒子と、自称・天才物理学者の上田次郎。奇妙で、どこか社会に馴染めない二人が、インチキ霊能力者たちの仕掛... -
鑑賞ノート
『聖者の行進』の絶望と『糸』の希望:中島みゆきが描いた光と影
夜は少し涼しくなり、夜に知り合いのカフェで紅茶を一杯飲んだ後、車の窓を少し開けてドライブをすることが、私にとって良い気分転換となっている。BGMはいつもSpotifyのランダム再生であるが、その夜は中島みゆきの『糸』が流れ、続けて『命の別名』が再... -
お店と日々
父の夢、息子の涙 ー 2025年ワールドシリーズが教えてくれたこと
2025年のMLBポストシーズンは、ロサンゼルス・ドジャースが劇的な延長11回の死闘を制し、球団史上初の2年連続ワールドシリーズ制覇を達成する、まさに歴史的な幕切れとなった。 大谷翔平が投打二刀流で先発し、山本由伸が9回途中から2.2回無失点の「神リリ... -
鑑賞ノート
大谷翔平と『緑山高校』二階堂定春――規格外の才能が映す「正しさ」と「反価値」
2025年10月17日(日本時間18日)、大谷翔平がナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)第4戦のブルワーズ戦、大谷翔平が見せた圧巻のパフォーマンス——3本のホームランと10奪三振。投げて打って、一人で試合を支配する姿は、まさに超人的だった。 引用元:産経ニュー... -
お店と日々
失敗に寄り添う文化 — 鞆の浦と野球が教えてくれたこと
ロサンゼルス・ドジャースは日本時間10日(現地時間9日)、フィラデルフィア・フィリーズを2-1で下し、ナショナルリーグディビジョンシリーズ(NLDS)突破を決めた。延長11回、劇的なサヨナラ勝ちの裏には、フィリーズの若き投手オライオン・カーカリング... -
お店と日々
食べすぎの朝と、待ちわびたポストシーズン
おはようございます。 ナスを大量にいただいて、毎日食べています。 昨日は朝に味噌汁で1本、夜は皮つきの輪切りで焼いて2本。その後すぐにトイレへ・・・ その後もなんとなく調子悪いので早めに就寝。 朝起きてもイマイチ・・・食べすぎたな!😭 さて、そ...