ウルグアイとカーボベルデの試合は、2-2で終わった。
この引き分けは、ただの引き分けではない。カーボベルデにとっては、初戦のスペイン戦0-0に続く、もうひとつの大きな勝ち点1である。相手はウルグアイ。ワールドカップ優勝経験を持つ南米の古豪である。その国を相手に先制し、逆転され、それでも追いついた。試合の流れだけを見ても、カーボベルデが簡単には消えないチームであることがよく分かる一戦だった。
グループ第2戦である。
ウルグアイは初戦でサウジアラビアと1-1。カーボベルデはスペインと0-0。どちらも勝ち点1を持ってこの試合に入った。だから、この試合で勝つことには大きな意味があった。勝てば一気に突破へ近づく。引き分けなら、最終戦へ望みと重さを同時に持ち越す。
先に試合を動かしたのは、カーボベルデだった。
21分、ケビン・ピナが直接FKを決める。長い距離からの一撃だった。ボールがゴールへ向かう瞬間、スタジアムの空気が少し止まったように感じられる場面である。初出場の国が、ワールドカップで初めて決めたゴール。それがウルグアイ相手の直接FKというのは、あまりにも鮮やかだった。
出典:ゲキサカ
この一点で、カーボベルデの大会はさらに色を持った。
スペイン戦で守り抜いた勝ち点1は、驚きだった。だが、この試合の先制点は、彼らがただ守るだけのチームではないことを示した。小さな島の代表が、世界の大舞台で、自分たちの足で試合を動かしたのである。
ただ、ウルグアイはやはりウルグアイだった。
出典:FIFA公式
先制されても、簡単には崩れない。前半終盤、マキシ・アラウホが同点ゴールを決める。これで1-1。さらにアラウホの流れから、アグスティン・カノッビオが決めて2-1。前半のうちにウルグアイが逆転した。
このあたりには、南米の強豪らしいしたたかさがあった。
カーボベルデがつかんだ夢のような先制点を、ウルグアイは前半のうちに現実へ引き戻した。試合をひっくり返す力。相手が盛り上がっている時間を断ち切る力。ウルグアイには、やはりそういう強さがある。
ハーフタイムを迎えた時点では、ウルグアイがこのまま押し切るようにも見えた。
初出場のカーボベルデが先制した。だが、古豪が前半のうちに逆転した。そういう筋書きで試合が進むことは、サッカーでは珍しくない。特にワールドカップでは、経験の差が後半に効いてくることがある。
しかし、この日のカーボベルデは、そこで終わらなかった。
後半、エリオ・ヴァレラが同点ゴールを決める。2-2。ウルグアイの守備の乱れを逃さず、再び試合を振り出しに戻した。
出典:theWORLD(ザ・ワールド)
先制して、逆転され、それでも追いつく。これは簡単なことではない。特に初出場の国が、ウルグアイを相手にそれをやるところに、このチームの粘りがある。
この同点弾のあと、試合の見え方は変わった。
ウルグアイが勝ち点3を取りにいく。カーボベルデはもう一度耐える。けれど、ただ耐えるだけではない。前へ出る気配も残す。だから、ウルグアイも完全には前がかりになれない。2-2というスコアのまま、時間が少しずつ重くなっていった。
ウルグアイにとっては、苦い試合だった。
勝てばグループの景色は大きく変わった。前半のうちに逆転した時点で、勝ち点3はかなり近くに見えたはずである。だが、そこから追いつかれた。初戦に続いて引き分け。2試合で勝ち点2。敗れてはいないが、勝ってもいない。古豪にとって、この状態は軽くない。
出典:サッカーダイジェストWeb
最終戦はスペイン戦である。
ウルグアイにとっては、かなり厳しい重さを背負う試合になる。攻める力はある。勝ち切るだけの個の力もある。だが、ここまで2試合続けて勝ち点3に届かなかった事実は残る。ワールドカップでは、その事実がチームの足元にじわりとまとわりつく。
一方のカーボベルデは、また勝ち点1を得た。
スペインに0-0。ウルグアイに2-2。初出場の国が、欧州の強豪と南米の古豪から勝ち点を取った。これはもう、偶然だけでは説明できない。もちろん、まだ突破が決まったわけではない。むしろ、最終戦のサウジアラビア戦が大きな勝負になる。だが、そこへ希望を持って向かえること自体が、すでに大きなことなのである。
出典:中日新聞
カーボベルデの試合には、不思議と応援したくなる空気がある。
小さな国が、大きな国に挑む。そこで守るだけではなく、先制し、追いつき、最後まで自分たちの夢を手放さない。見ているうちに、いつの間にか「もう少し耐えてくれ」と思ってしまう。ワールドカップには、そういう感情を動かす試合がある。
この2-2は、そのひとつだった。
ウルグアイには悔しさが残った。カーボベルデには希望が残った。同じ勝ち点1でも、試合後に持ち帰るものはまるで違う。ウルグアイにとっては逃した勝ち点2であり、カーボベルデにとってはもぎ取った勝ち点1だった。
グループHは、さらに面白くなった。
スペインが勝ち点4で前に出る中、ウルグアイとカーボベルデは勝ち点2で並ぶ。最終戦で何が起こるか、まだ分からない。だが少なくとも、カーボベルデは自分たちの手で可能性を残した。
ウルグアイ 2-2 カーボベルデ。
小さな島は、また倒れなかった。
初出場のワールドカップで、カーボベルデは夢をまだ終わらせていない。2つ目の勝ち点1は、静かに、しかし確かに、その道を照らしていた。






コメント