ドイツが、コートジボワールを2-1で下した。
ただし、スコアだけでこの試合を読むと、少し見誤る。ドイツが順当に勝った試合ではなかった。むしろ、長い時間はコートジボワールの粘りと速さが、ドイツの前に立ちはだかっていた。最後の最後で勝ち切ったからこそ、ドイツの勝利は大きく見えるが、その中身はかなり苦い時間を含んでいた。
グループ第2戦である。
初戦でキュラソーに7-1と大勝していたドイツにとって、この試合に勝てば決勝トーナメント進出が決まる。圧勝のあとに、もう一度勝ち点3を取り切れるか。強豪国にとっては、こういう第2戦こそ難しい。勢いはある。だが、相手は初戦でエクアドルを破ったコートジボワールである。簡単に飲み込まれる相手ではなかった。
コートジボワールは、受け身ではなかった。
身体の強さとスピードを前面に出し、ドイツに余裕を与えない。ドイツがボールを持つ時間はあっても、試合の空気を完全には握れない。前へ出たときの迫力は、見ている側にもはっきり伝わってきた。アフリカのチームという一言では片づけられない、整理された守備と鋭い攻撃があった。
そして前半、先に試合を動かしたのはコートジボワールだった。
フランク・ケシエが決める。
出典:FIFA公式
0-1。ドイツが追いかける展開になった。
この先制点には、コートジボワールの強さがよく出ていた。相手がドイツであっても、ただ耐えるだけではない。自分たちの時間を見つけ、そこで仕留める。初戦の勝利が偶然ではないことを示すような一撃だった。
ドイツにとっては、嫌な試合になった。
前半に2度ゴールネットを揺らしながら、いずれも認められなかった。こういう試合は、心の置きどころが難しい。攻めている。チャンスもある。だが、スコアは動かない。さらに相手には先制されている。初戦で7点を取ったチームであっても、ワールドカップでは一試合でまったく違う顔を見せられる。
出典:FIFA公式
時間が進むほど、ドイツには重さが増していった。
勝てば突破。だが、負ければ最終戦へ余計な不安を持ち越す。第2戦の勝ち点3は、ただの勝利ではない。次の扉を開ける鍵である。その鍵が目の前にあるのに、なかなか手が届かない。そういうもどかしさがあった。
その空気を変えたのが、途中出場のデニズ・ウンダフだった。
68分、ウンダフが同点ゴールを決める。1-1。ドイツがようやく追いついた。
出典:ライブドアニュース – Livedoor
途中から入ってきた選手が、試合の停滞を壊す。ワールドカップでは、こういう交代が試合全体の意味を変えることがある。ウンダフの同点弾は、ドイツにとって単なる1点ではなかった。沈みかけていた時間を、もう一度引き戻す一点だった。
コートジボワールにとっては、ここからが難しかった。
1-1でも悪くない。勝ち点1を持ち帰れば、最終戦へ望みは十分に残る。だが、ドイツは同点に追いついたことで、再び前へ出る力を得た。試合の終盤、コートジボワールは粘りながらも、少しずつ押し返されていく。守り切りたい気持ちと、もう一度前へ出たい気持ち。その間で揺れる時間だった。
そして後半アディショナルタイムである。
再びウンダフが決めた。2-1。ドイツの逆転。
出典:サッカーダイジェストWeb
このゴールには、ドイツらしさがあった。最後まで試合を終わらせない。悪い流れでも、認められないゴールが続いても、相手に先制されても、最後の時間に勝ち点3を奪いにいく。美しく整った勝利ではない。だが、こういう勝ち方には、強豪国の怖さがある。
コートジボワールにとっては、あまりにも痛い失点だった。
長い時間、ドイツを苦しめた。先制し、守り、走り、終盤まで勝ち点を手の中に入れていた。それが最後の最後でこぼれ落ちた。1-1で終われていれば、試合後の表情はまったく違ったはずである。だが、ワールドカップでは、その数分、その一瞬があまりにも大きい。
ドイツは、2連勝で決勝トーナメント進出を決めた。
初戦の大勝、そして第2戦の逆転勝利。まったく違う形の勝ち点3を続けて手にしたことは大きい。大量得点で勝つ力もある。苦しい試合を最後にひっくり返す力もある。大会を進むうえで、後者の勝ち方は特に記憶に残る。
一方で、不安がないわけではない。
コートジボワールの速さに苦しみ、先制を許し、前半は思うように試合を動かせなかった。決勝トーナメントへ進むチームとして、修正すべき部分はある。だが、それでも勝った。勝ってから修正できることは、短い大会ではとても大きい。
コートジボワールは敗れた。
しかし、決して弱く敗れたわけではない。むしろ、ドイツを最後まで追い詰めた。ケシエの先制点も、守備の粘りも、前へ出たときの迫力も、十分に印象に残った。勝ち点は積めなかったが、このチームがまだ大会の中で怖い存在であることは変わらない。
グループEの景色は、この一戦で大きく動いた。
ドイツは勝ち点6で先へ進み、コートジボワールは最終戦へ重さを背負う。第2戦の勝ち点3は、ドイツに安心を与え、コートジボワールには悔しさを残した。同じ90分を戦っても、試合後に持ち帰るものはまるで違う。
ドイツ 2-1 コートジボワール。
最後に勝ったのはドイツだった。だが、その勝利を濃くしたのは、コートジボワールの強さでもあった。
土壇場で奪った勝ち点3。
ドイツは、苦しみながらも決勝トーナメントへの扉を開いた。





コメント