お店と日々– category –
お店のこと、鞆の浦での日々、営業後の時間、店主として感じたことなどを綴るカテゴリーです。接客や商売について考えたこと、日々の小さな出来事、ブログ制作や調べものの記録なども含めて、公式のお知らせとは少し違う、店主個人のノートとして残しています。
-
お店と日々
便器のコードから古城へ — ドラキュラと映画好き店主の思考
※この記事には「トイレ」「排泄」など日常の身体に関する表現が含まれています。気になる方はご注意のうえお読みください。 トイレ掃除をしていたら、いつもは気にしない便器のコード(電源線)にホコリがたくさん付いているのを見つけた。 普段は見ない場所... -
お店と日々
爆上がりの朝と、変わらない店の灯り
朝起きて外に出ると、車の屋根とボンネットにうっすらと雪が積もっていた。積もった、というほど大げさではないが、「ああ、ちゃんと冬だな」と思わせるには十分な白さだった。空気もどこか澄んでいて、寒いのに少し気持ちが引き締まる朝である。 9時過ぎ... -
お店と日々
唯心論と唯物論の話が、喫茶店で始まった理由
店をやっていると、いろんな人と話す機会がある。何気ない会話なのに、あとから妙に心に残るやり取りも少なくない。 今日書いておきたいのは、そんな一人との話である。 その人と知り合ったのは、店を始めたばかりの頃だった。鞆で、姉の同級生が営んでい... -
お店と日々
選ばなかった人生を想う夜――江戸川乱歩『モノグラム』を読んで
「結婚しないの?」と聞かれることがある。私はいつも笑って答える。「今の生活に満足しているから」と。 この言葉への反応はさまざまだ。「それもいいね」と言う人もいれば、「一度くらいはしてみれば」と軽く言う人もいる。けれど私は、今の暮らしをけっ... -
お店と日々
『大名倒産』を観て考えた、身の丈に合った店の続け方
映画『大名倒産』を観ながら抱いた素朴な疑問がある。「殿様なのに、なぜこんなに貧乏なのか?」という問いだ。主人公の松平小四郎(神木隆之介)が継いだ越後丹生山藩は3万石の小藩で、25万両(約100億円)もの借金を抱えている。しかし、冷静に考えれば... -
お店と日々
2026 FIFAワールドカップ:眠れぬ夜と、日本の運命
抽選会の長い夜 2025年12月5日の夜──いや、正確には日本時間で6日の未明。久しぶりに夜更かしをして、ワールドカップの組み合わせ抽選会を見守ることにした。 しかし、抽選はなかなか始まらない。歌あり、スピーチあり、そしてなぜかドナルド・トランプ氏... -
お店と日々
「お互い50になっても独身だったら」と呑みながら話した夜――『平場の月』に重ねる私の物語
『平場の月』は、第32回山本周五郎賞を受賞した朝倉かすみの同名小説を映画化した、”50代の初恋の続き”を描く大人のラブストーリーである。 中学時代の同級生だった男女が、50歳になって再会し、地味でささやかな日常の中で、もう一度「誰かと生きること... -
お店と日々
父の夢、息子の涙 ー 2025年ワールドシリーズが教えてくれたこと
2025年のMLBポストシーズンは、ロサンゼルス・ドジャースが劇的な延長11回の死闘を制し、球団史上初の2年連続ワールドシリーズ制覇を達成する、まさに歴史的な幕切れとなった。 大谷翔平が投打二刀流で先発し、山本由伸が9回途中から2.2回無失点の「神リリ... -
お店と日々
フロンティア・クロニクル【第8話】帰る場所、進む場所
ミストフォールの朝は、いつになく静かだった。二日間にわたる大騒動──プレーオフ、失踪、妨害工作──そのすべてが収束し、街の霧さえもようやく軽くなったように見えた。 カムデン・クラインは病室のベッドで上体を起こしていた。腕や足には擦り傷が残るが... -
お店と日々
フロンティア・クロニクル【第7話】プレーオフ第2戦──闇が晴れるとき、光は二つ現れる
Ⅰ. ミストフォールの朝──捜索続行 カムデン・クライン失踪から二日目。ミストフォール署は夜通しの捜索を続け、JASTICEから応援に来ていた巡査部長のカルロス“CJ”ジョーダンら3人 が森の旧参道を歩いていた。 深い霧はまだ地面に残り、足跡は途中から消え...