鑑賞ノート– category –
映画、ドラマ、アニメ、本など、観たり読んだりした作品について綴るノートです。軽い感想から、物語や登場人物、演出、テーマについて考えた文章まで、作品に触れて感じたことを自分なりに残しています。鑑賞前の参考にも、鑑賞後の振り返りにもなる場所を目指しています。
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鑑賞ノート
なぜ少女は天国を捨てたのか?芥川龍之介「おぎん」の主題と結末の謎に迫る
I. はじめに 芥川龍之介と「切支丹物」 芥川龍之介(1892-1927)は、大正という、日本の近代化が急速に進んだ時代を代表する文学者の一人です。彼の作品は、鋭い知性、古典から西洋文学までを自在に取り入れた多彩な文体、そして人間存在の深淵を冷徹に見... -
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芸術家はミューズに壊されて完成する――手塚治虫原作『ばるぼら』映画版の主題を読む
「漫画の神様」手塚治虫が1973年から74年にかけて描いた大人向け漫画『ばるぼら』。その複雑で独特の作風から長年「映像化不可能」とされてきた同作を、手塚の実子・手塚眞が実写映画化した。 出典:映画.com 主演は稲垣吾郎と二階堂ふみ。撮影監督にはウ... -
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黒澤明『椿三十郎』ネタバレ考察|痛快時代劇が最後に残す苦みとは
黒澤明の時代劇には、力で押し切る映画と、知で斬り込む映画がある。1962年の『椿三十郎』は、明らかに後者である。 しかも、この映画の知性は小難しい理屈ではない。人を見る目、場を読む勘、若さの危うさを一歩引いて眺める冷笑、そして必要なときだけ一... -
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『バトルランナー』(1987)完全解説|ディストピアSFが予言した「メディアと暴力」の未来
公開から約40年。1987年のアクション映画『バトルランナー』(原題:The Running Man)は、80年代SFアクションとしての勢いを保ちながら、「メディアと暴力」「情報操作」「大衆の熱狂」といったテーマを鮮烈に刻み込んだ作品だ。 出典:https://www.imdb.... -
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『男はつらいよ 望郷篇』完全解説|第5作あらすじ・名言・シリーズ転換点の全貌【ネタバレあり】
1970年夏に公開された「男はつらいよ 望郷篇」は、当初シリーズ完結作として制作されながら、予想外の大ヒットによって方針転換を余儀なくされ、結果として48作まで続く国民的映画シリーズへの道を開いた記念碑的作品である。 出典:FOD – フジテレビ 本作... -
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中島ゆたか逝去に寄せて――1970年代東映娯楽映画を彩った”マドンナ”の系譜
俳優の中島ゆたかさんが2025年11月27日、大腸がんのため73歳で逝去された。訃報は12月4日に東映より公表された。約3年前から大腸がんと闘いながらも仕事を続け、最後まで映画への愛を貫いた彼女の姿は、昭和の娯楽映画全盛期を駆け抜けた一人の女優の矜持... -
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粗いトリックが、なぜ心地よいのか。——江戸川乱歩「屋根裏の散歩者」
今日も乱歩を読む・・・いや聞く。車のハンドルを握りながら。 買い出しの道中、Audibleで「屋根裏の散歩者」を流した。片耳でナレーターの声を聞きながら、信号待ちのたびに物語の続きを待った。その夜、寝る前に電子書籍で同じ作品を読み返した。布団の... -
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転職の魔王様(2023)徹底解説!毒舌キャリアアドバイザーと社畜ヒロインの成長物語【ネタバレ】
ドラマ「転職の魔王様」基本情報 2023年7月17日から9月25日まで、カンテレ・フジテレビ系の月曜夜10時枠で放送された「転職の魔王様」は、額賀澪の同名小説を原作としたヒューマンドラマである。全11話構成で、毎話転職希望者たちの人生に寄り添いながら、... -
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蜜柑一袋が、すべてを動かした──乱歩「指環」の小道具術
江戸川乱歩の短編「指環」は、台詞だけで構成された奇妙な小品である。地の文はない。ト書きもない。AとBという二人の男が汽車の中で交わす会話だけが、紙面を埋めている。 読み始めた瞬間は、ただの世間話に見える。しかし数行も進むと、この二人がただの... -
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「地底探検」(1959年)/探検は男のロマン、空洞は大人の夢
仕込みを終えて、店が静かになる。エスプレッソマシンの熱が抜け、床に置いた椅子がきしむ小さな音だけが残る夜。私は一人で『地底探検』を再生した。 映画を観る時間は、私にとって読書と同じだ。ページをめくるように、光と影をゆっくり受け取る。今夜の...