ヨルダン 1-2 アルジェリア|初めてのリードと、砂漠の狐がつないだ望み

ヨルダンとアルジェリアの試合は、1-2でアルジェリアが勝利した。

スコアだけを見れば、アルジェリアの逆転勝ちである。だが、この試合には、勝った国と敗れた国の表情がはっきり分かれるだけではない、少し複雑な余韻があった。ヨルダンはワールドカップ初出場の国として、初めて試合をリードした。アルジェリアは、敗れればかなり苦しくなる状況から、後半に試合をひっくり返した。

どちらにも、譲れない時間があった。

グループJの第2戦である。

ヨルダンは初戦でオーストリアに1-3で敗れていた。アルジェリアも初戦でアルゼンチンに0-3と敗れている。どちらも勝ち点0で迎えた試合だった。ここで負ければ、大会の道はほとんど閉ざされる。だから、この一戦には、単なる第2戦以上の切実さがあった。

先に試合を動かしたのはヨルダンだった。

36分、ニザール・アルラシュダンが決める。ヨルダンが1-0と先制した。

出典:FIFA公式

このゴールには、大きな意味があった。ワールドカップ初出場のヨルダンが、初めて世界の舞台でリードを奪った瞬間である。大会に出るだけでも大きな出来事だった国が、今度は相手を追いかけるのではなく、相手に追わせる側に立った。スコアボードに刻まれた1-0は、ヨルダンにとってただの途中経過ではなかったはずである。

前半のヨルダンには、確かに夢があった。

出典:サッカーマガジンWEB

守るだけではなく、チャンスを見つけ、そこで仕留めた。相手はアルジェリアである。アフリカの強豪であり、技術も経験もある国である。その相手に先制する。ワールドカップの初出場国にとって、これほど胸を動かす時間はそう多くない。

一方のアルジェリアにとっては、重い前半だった。

初戦でアルゼンチンに敗れ、この試合でも先制を許す。流れとしては非常に苦しい。攻めたい。勝ちたい。だが、焦れば焦るほど相手の守備に引っかかる。前半を0-1で終えた時点で、アルジェリアにはかなりの圧力がのしかかっていたはずである。

しかし、後半のアルジェリアは違った。

前へ出る力が増し、ヨルダンを押し込む時間が長くなる。リヤド・マフレズのような経験ある選手が、セットプレーや攻撃の起点で存在感を見せる。ワールドカップでは、こういう時間に経験が出る。焦りの中でも、どこで勝負するかを知っているチームは強い。

69分、ナディール・ベンブアリが決める。

1-1。アルジェリアが追いついた。

この同点ゴールは、試合の空気を大きく変えた。ヨルダンが守っていたリードは消え、アルジェリアは息を吹き返した。先制されたまま時間が過ぎる試合と、同点に戻した試合では、チームの顔つきがまるで変わる。アルジェリアの選手たちには、ここからまだ勝てるという熱が戻ったように見えた。

ヨルダンにとっては、ここからが苦しかった。

初めてのリードを守り切りたかったはずである。勝ち点3に届かなくても、せめて勝ち点1を得たい。そんな思いもあっただろう。だが、同点に追いつかれたあと、試合は少しずつアルジェリアのものになっていった。ヨルダンは粘った。簡単には崩れなかった。それでも、押し返す力は徐々に削られていった。

そして終盤、アルジェリアが試合をひっくり返す。

アミーヌ・グイリが決める。1-2。

出典:Yahoo!ニュース – Yahoo! JAPAN

このゴールで、アルジェリアはようやく勝利に手をかけた。前半に先制され、後半に追いつき、最後に逆転する。きれいな勝利というより、苦しみながらつかんだ勝利である。だが、グループステージでは、こういう勝利が何より大きい。内容が整っているかどうかより、まず大会の中に残ること。その意味で、アルジェリアは大きな勝ち点3を手にした。

ヨルダンにとっては、あまりにも痛い逆転負けだった。

出典:Yahoo!ニュース – Yahoo! JAPAN

初めてリードした試合で、最後は勝ち点を持ち帰れなかった。2連敗となり、グループステージ敗退が決まった。初出場のワールドカップで、現実は厳しかった。だが、この試合の前半に見せた時間は、ヨルダンの大会から消えない。

ワールドカップで初めてリードした。

その事実は、敗退の悔しさの中にも残る。国のサッカー史にとって、こういう一瞬は小さくない。結果は1-2の敗戦である。それでも、ヨルダンが世界の舞台で相手を慌てさせ、先にゴールを奪ったことは、次につながる記憶になるはずである。

アルジェリアは、望みをつないだ。

初戦の重い敗戦から、この逆転勝利で勝ち点3を得た。最終戦はオーストリア戦である。そこには、決勝トーナメント進出をかけた大きな勝負が待っている。簡単な道ではない。だが、この試合に勝ったことで、その道に立つ資格を自分たちで取り戻した。

この試合を見終えると、ヨルダンの先制点と、アルジェリアの後半の粘りが並んで残る。

片方は、初出場国が初めてつかんだリードの記憶。もう片方は、敗退の危機から立ち上がった国の執念である。どちらか一方だけで語るには、少しもったいない試合だった。

ヨルダン 1-2 アルジェリア。

ヨルダンの夢は、ここでいったん細くなった。だが、初めて灯したリードの光は残った。

アルジェリアは、その光を消して勝ったのではない。自分たちの火を、もう一度燃やし直して勝ったのである。

砂漠の狐は、まだ大会の中にいる。

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