パナマ 0-1 クロアチア|老練な国がつないだ命綱と、届かなかったパナマの粘り

パナマとクロアチアの試合は、0-1でクロアチアが勝利した。

派手な試合ではなかった。大量得点でもない。試合を決めたのは、後半のたった一つのゴールである。だが、その一点はクロアチアにとって、ただの決勝点ではなかった。大会の中に残るための命綱であり、もう一度最終戦へ希望を持って向かうための一点だった。

グループLの第2戦である。

クロアチアは初戦でイングランドに2-4で敗れていた。パナマも初戦でガーナに0-1で敗れている。どちらも勝ち点0で迎えた試合だった。ここで負ければ、先はかなり厳しくなる。特にパナマにとっては、敗れればグループステージ敗退が決まる状況である。試合の入りから、どちらにも重いものがあった。

クロアチアには、経験がある。

ワールドカップで何度も粘り、何度も延長を戦い、何度もぎりぎりの試合を生き残ってきた国である。だが、その経験だけで勝てるほど、今回の大会は甘くない。初戦の敗戦で、チームには少し重さが残っていたはずである。勝たなければならない試合で、どれだけ落ち着いてプレーできるか。そこが問われていた。

出典:サッカーマガジンWEB

一方のパナマは、思い切って戦った。

守備に回る時間は多かったが、ただ耐えるだけではなかった。前へ出る場面も作り、相手に怖さを見せた。クロアチアGKドミニク・リヴァコヴィッチがホセ・ルイス・ロドリゲスの強いヘディングをクロスバーへ逃れる場面もあり、パナマにも確かに得点の気配はあった。

あの場面が入っていれば、試合はまったく違うものになっていたかもしれない。

ワールドカップでは、そういう一瞬が大きい。劣勢に見えるチームが一つのチャンスを決めると、試合全体の重心が変わる。パナマはその扉のすぐ近くまで行った。だが、最後のところでリヴァコヴィッチに止められた。パナマにとっては、悔しさの残る瞬間だった。

前半は0-0で終わる。

クロアチアにとっては、焦りが出てもおかしくない展開だった。勝たなければならない。相手は初戦を落としているパナマ。だが、思うように点が入らない。時間が進むほど、試合は少しずつ重くなる。こういうとき、強い国でも簡単に崩れることがある。

そこで後半、クロアチアは動いた。

アンテ・ブディミルが投入される。そして、その交代が試合を変えた。

後半、クロアチアの攻撃がつながり、ブディミルがゴールを決める。0-1。試合の均衡が破れた。

出典:FIFA公式

途中から入った選手が、必要な場所にいて、必要な一撃を決める。クロアチアにとって、これほど大きな仕事はない。初戦で敗れ、勝ち点0で迎えた第2戦。そこで先制することの意味は大きい。チーム全体の肩から、少しだけ重さが落ちたように見えた。

このゴールには、老練な国のしぶとさがあった。

美しく崩し切ったというよりも、試合の中で必要なものを探し、最後にそれを拾い上げたような一点である。クロアチアは、若さだけで押すチームではない。試合を読む選手がいて、時間の使い方を知る選手がいる。モドリッチのような存在が、その象徴である。

出典:中日新聞

この試合は、ルカ・モドリッチにとって代表200試合目でもあった。

200という数字は、簡単に届くものではない。しかも、ワールドカップの舞台でその節目を迎える。クロアチアという国のサッカー史を思うと、モドリッチがどれほど長い時間を背負ってきたかが分かる。チームが苦しい状況にある中で迎えた200試合目。その試合を勝利で終えたことには、静かな重みがある。

パナマは、失点後も諦めなかった。

一つのゴールで大会が遠ざかる。そんな状況でも、前へ出ようとした。クロスを入れ、こぼれ球を狙い、何とか同点に追いつこうとする。だが、クロアチアの守備は最後まで崩れなかった。経験ある国は、こういう1点差の試合での耐え方を知っている。

パナマにとっては、2試合続けての0-1である。

ガーナ戦でもあと一歩届かなかった。そして、このクロアチア戦でも、また一点が遠かった。大きく崩れたわけではない。むしろ、強い相手に対して粘り強く戦った。だが、ワールドカップでは、その粘りだけでは勝ち点に届かないことがある。

そこが、この大会の厳しさである。

出典:Yahoo!ニュース – Yahoo! JAPAN

良い時間がある。チャンスもある。守備も耐える。それでも、最後にゴールを決めた方が勝つ。パナマは二試合を通して、その現実を突きつけられた。敗退という結果は重いが、彼らが残した粘りまで消えるわけではない。

クロアチアは、勝ち点3を得た。

これで最終戦へ望みをつないだ。相手はガーナである。簡単な試合にはならない。ガーナはイングランドと引き分け、勝ち点4を持っている。クロアチアはこの勝利で大会に残ったが、まだ何も決まっていない。むしろ、本当の勝負はここからである。

それでも、この1-0は大きい。

初戦で敗れた国が、第2戦で踏みとどまる。内容が華やかでなくても、勝ち点3を取る。こういう勝利は、あとから効いてくる。クロアチアは、またしても簡単には消えない国であることを見せた。

パナマ 0-1 クロアチア。

パナマは粘った。クロアチアは耐えた。そして、ブディミルの一撃が、二つの国の道を分けた。

パナマの道はここで閉じた。だが、クロアチアの道はまだ細く続いている。モドリッチの200試合目の夜、老練な国はその細い道を、ぎりぎりのところで踏み外さなかった。

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