考察– tag –
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鑑賞ノート
橋本環奈より佐藤二朗を見ていた──『トクメイ!警視庁特別会計係』全話考察
「捜査に金は必要だ」と叫ぶ刑事たちと、「それでも一円たりとも無駄にはできない」と立ちはだかる会計係の女性警官。一見コメディタッチに見えるこのドラマが、終盤にかけて警察組織の腐敗と、一人の父親の絶望的な復讐劇へと変貌していく──それが2023年... -
鑑賞ノート
なぜ日本の透明人間は“善人”なのか? – 日米『透明人間』像から透ける、罪と罰の倫理観
もし、誰の目にも見えなくなったら、あなたは何をするだろうか。 この根源的な問いは、古くはプラトンの『国家』に登場する「ギュゲスの指輪」の逸話から、現代に至るまで、私たちの倫理観を揺さぶり続けてきた 。姿が見えないという究極の自由と匿名... -
鑑賞ノート
江戸川乱歩「百面相役者」考察|Rは百面相役者ではなく、“それを殺した男”なのか
はじめに 江戸川乱歩の短編『百面相役者』は、読了後に「結局、何が真実だったのか」と考えさせる、不思議な余韻を残す作品である。 明確な犯人も提示されず、決定的な真相も示されない。それにもかかわらず、いったんは納得したような感覚を与えられる。... -
鑑賞ノート
無免許医の倫理学:ブラック・ジャックとドクターXに見る”規格外の医師”像の変遷〜「流氷、キマイラの男」(1993年)
はじめに:法の外側で命を救う者たち 医師免許を持たない、あるいは持っていても医療界の枠組みから外れた医師たち。彼らは法や制度の外側に立ちながら、優れた技術で患者の命を救う。手塚治虫が1973年に生み出した「ブラック・ジャック」と、2012年にテレ... -
鑑賞ノート
PK戦の向こうへ、パラグアイがドイツを越えた
決勝トーナメントには、ときどき大会全体の空気を変えてしまう試合がある。 強い国が順当に勝つ試合もある。優勝候補が苦しみながらも、最後は力で押し切る試合もある。だが、このドイツ対パラグアイは、そうではなかった。 ドイツ 1-1 パラグアイ。延長12... -
鑑賞ノート
煉獄としての地下通路 ─ 映画『8番出口』、選択と罪の物語
白い回廊に迷い込んだ「世間」の男 蛍光灯だけが灯る、白く無機質な地下通路。タイルの継ぎ目、ポスターの配置、ひとつ先の曲がり角。どこか見覚えがある。いや、確かに見た。この場所を、今しがた通ったばかりだ。 映画『8番出口』(2025年、監督・川村元... -
お店と日々
『戦艦ポチョムキン』に学ぶ、カフェという集合の美学
夜の営業後、いつものように古い映画を観る。 1925年制作のソ連の映画『戦艦ポチョムキン』。白黒のサイレント映画だ。 ソ連国内の公開時のポスター出典:Wikipedia 画面には次々と顔が映る。怒る水兵、叫ぶ市民、行進する兵士。しかし不思議なことに、こ... -
鑑賞ノート
「緑山高校 甲子園編」レビュー|破天荒すぎる野球ギャグアニメの魅力を徹底解説【ネタバレあり】
1990年に放たれたOVA「緑山高校 甲子園編」は、野球アニメの常識を根底から覆した伝説的な作品です。従来のスポーツアニメが描いてきた「友情・努力・勝利」の美学を完全に無視し、代わりに「自己中心的な天才」と「理不尽なまでのパワー」を物語の中心に... -
鑑賞ノート
刑事コロンボ「指輪の爪あと」考察|計算された男が自分の感情に殺される
刑事コロンボというシリーズは、毎回冒頭で犯人が人を殺すところを見せる。視聴者は誰が殺したかを知った状態で、コロンボが何を手がかりにして、どうやってその人物を追い詰めるかを見届ける。謎解きではなく、崩壊の過程を見る構造だ。 「指輪の爪あと」... -
鑑賞ノート
「タンタラス」「レテ」「トリスタン」――神話の名前が語る呪いの物語
1966年のSFテレビドラマが、なぜシェイクスピアとギリシャ神話の名前を三つも重ねたのか。 偶然ではない。『スター・トレック 宇宙大作戦』第9話「悪魔島から来た狂人」(原題:Dagger of the Mind、1966年11月放送)は、惑星名・登場人物名に「永遠の渇望...