日記/エッセイ– tag –
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お店と日々
長い一日、その先の十数年
数年前に、店の冷暖房設備をリース契約した会社がある。今日はその点検の日で、いつものように担当の方が店に来てくれた。 この方は、点検のついでに店の奥にあるホシザキ製の大型冷凍冷蔵庫も毎回さっと見てくれる。業務用の機械は、壊れてから慌てるより... -
お店と日々
『セロ弾きのゴーシュ』(宮沢賢治)——関係性が人を変える仕事論
宮沢賢治のセロ弾きのゴーシュを読んでいて、どうしても自分のこれまでの仕事の時間が重なって見えてくる。 ゴーシュは楽団のセロ弾きである。しかし、彼はうまく弾けない。指揮者には叱られ、仲間からも遅れている。ひとりで練習しても、なかなか上達しな... -
お店と日々
便器のコードから古城へ — ドラキュラと映画好き店主の思考
※この記事には「トイレ」「排泄」など日常の身体に関する表現が含まれています。気になる方はご注意のうえお読みください。 トイレ掃除をしていたら、いつもは気にしない便器のコード(電源線)にホコリがたくさん付いているのを見つけた。 普段は見ない場所... -
お店と日々
爆上がりの朝と、変わらない店の灯り
朝起きて外に出ると、車の屋根とボンネットにうっすらと雪が積もっていた。積もった、というほど大げさではないが、「ああ、ちゃんと冬だな」と思わせるには十分な白さだった。空気もどこか澄んでいて、寒いのに少し気持ちが引き締まる朝である。 9時過ぎ... -
お店と日々
唯心論と唯物論の話が、喫茶店で始まった理由
店をやっていると、いろんな人と話す機会がある。何気ない会話なのに、あとから妙に心に残るやり取りも少なくない。 今日書いておきたいのは、そんな一人との話である。 その人と知り合ったのは、店を始めたばかりの頃だった。鞆で、姉の同級生が営んでい... -
鑑賞ノート
踊る一寸法師と、幼い日の恐怖 ― 僕がホラー映画を好きになった理由
踊る一寸法師と、幼い日の恐怖 僕は映画が好きだ。特にホラー映画が好きだ。けれど、どうしてこんなにも“怖いもの”に惹かれるようになったのかと考えると、その原点はいつも、ひとつの物語に行き着く。 出典:Perrier's 雑文書庫 - FC2 小学生の頃に読んだ... -
鑑賞ノート
「シェイクスピアは、もう成仏したんですよ」― 記憶に残る一本の台詞
深夜、店を閉めてひとり残った時間に、ふと思い出す映画の台詞がある。それは1997年に公開された『Lie Lie Lie』の中で、豊川悦司演じる詐欺師・相川が、テレビ討論会の場で放った一言だった。 「シェイクスピアは、もう成仏したんですよ」 この台詞を初め... -
鑑賞ノート
原作未読の僕が愛した、映像版「新解釈シャーロック・ホームズ」たちの魅力
シャーロック・ホームズの本は読んだことがないが、映像では数本見ている。 最初に「シャーロック」モノを見たのはNHKの「名探偵ホームズ」 原作から登場人物と舞台を借りてるだけの、ほぼオリジナル・ストーリー。登場人物はすべて擬人化した犬で、ストー... -
鑑賞ノート
猫が正しく、原作者が「イマイチ」と言い、それでも6作作られた理由——『三毛猫ホームズ』土曜ワイド劇場版の奇妙な正しさ
赤川次郎はテレビ朝日版『三毛猫ホームズ』シリーズについて、「どれも出来はイマイチだった」と評している。 原作者本人の言葉だ。これほど明快な否定もない。それなのに、1979年の第1作から1984年の第6作まで、石立鉄男と坂口良子のコンビによる作品は6... -
鑑賞ノート
「東京は変らない」という言葉が変わる瞬間——太宰治「メリイクリスマス」を読む
太宰治の短編「メリイクリスマス」(1947年)は、不思議な構造を持っている。 語り手の笠井が本屋でシズエ子ちゃんと再会し、母のアパートへ向かい、母の死を知り、うなぎ屋の屋台で二人して黙って酒を飲む。それだけの話だ。派手な事件も、感情の爆発もな...