トルコとパラグアイの試合は、始まってすぐに動いた。
まだ選手たちの呼吸も整い切らない時間である。観る側も、これから試合がどういう形になるのかを探り始めたばかりだった。そのわずかな隙間で、パラグアイが前へ出た。
開始64秒、マティアス・ガラルサが決める。
0-1。パラグアイの先制。
ワールドカップの第2戦で、これほど早い時間に点が入ると、試合の意味が一変する。初戦でアメリカに1-4で敗れていたパラグアイにとって、この試合は負ければ相当に苦しくなる一戦だった。その重さを背負った中で、開始直後に得た一点は、単なる先制点ではなかった。大会に踏みとどまるための、ほとんど命綱のようなゴールだった。
出典:au Webポータル
一方のトルコにとっては、あまりにも重い始まりだった。
初戦でオーストラリアに0-2で敗れている。ここで勝ち点を取らなければならない。そういう試合で、いきなり追いかける側になる。しかも、相手は南米のしぶとさを持つパラグアイである。点を返す時間は十分にあったはずなのに、あまりにも早い失点は、試合全体に焦りを滲ませる。
それでも、試合はそこで終わらなかった。
むしろ、そこからトルコが押し込む展開になっていく。ボールを持ち、相手陣内へ入り、何度もクロスを入れた。アルダ・ギュレルやハカン・チャルハノールの足元から、何かが起こりそうな気配はあった。トルコには技術があり、前へ出る力もある。だが、最後のところでパラグアイの壁を越えられなかった。
前半途中、パラグアイに大きな出来事が起きる。
ミゲル・アルミロンが退場となり、パラグアイは10人になった。早い時間に先制したとはいえ、残された時間は長い。ワールドカップの舞台で、1点リードを守りながら10人で耐える。これは簡単なことではない。勝ち点3が見えているからこそ、時間がかえって重くなる。
ここからの試合には、南米の国らしい粘りがあった。
パラグアイは、きれいに試合を支配したわけではない。ボールを持ち続けたわけでもない。むしろ、トルコに攻め込まれる時間が長かった。だが、最後のところで身体を張る。ゴール前に人数をかける。跳ね返し、倒れ、また立ち上がる。ひとつひとつの守備が、勝ち点3へ近づくための小さな作業のようだった。
トルコは攻めた。
数字だけを見れば、圧力は確かにあった。シュートも打った。CKも重ねた。だが、攻めているのに得点が入らない時間は、見ている側にも重くのしかかる。時間が進むほど、トルコの攻撃は少しずつ急ぎ始める。丁寧に崩すよりも、何とか入れてしまいたいという空気が強くなる。そうなると、パラグアイの守備はますます息を吹き返す。
サッカーでは、攻めている側が強く見える時間がある。
しかし、守っている側が試合の芯を握っていることもある。この日のパラグアイは、まさにそうだった。10人で耐えているのに、どこかで「このまま守り切るのではないか」と思わせる強さがあった。ゴール前の混戦でも、最後の足が出る。こぼれ球にも誰かが反応する。パラグアイの選手たちは、勝ち点3の重さを全員で抱えていた。
トルコにとっては、痛すぎる敗戦である。
初戦に続く敗戦で、グループステージ敗退が決まった。大会前には、若い才能への期待もあった。アルダ・ギュレル、ケナン・ユルディズ、そして経験ある選手たち。彼らが大会でどこまで進むのか、楽しみにしていた人も多かったはずである。だが、ワールドカップは期待だけでは進めない。最初の失点、決め切れない攻撃、相手の粘り。そのすべてが、トルコの道を閉ざした。
出典:スポーツブル
パラグアイにとっては、まったく違う夜だった。
初戦の大敗から立ち直り、10人で守り抜き、勝ち点3をつかんだ。これは美しい勝利というより、泥のついた勝利である。だが、ワールドカップでは、そういう勝利の方があとから効いてくることがある。きれいに勝つよりも、倒れそうになりながら勝つ。その記憶が、次の試合でチームを支える。

パラグアイは最終戦でオーストラリアと向き合う。
まだ突破が決まったわけではない。むしろ、ここからが本当の勝負である。それでも、この勝ち点3がなければ、その勝負の場に立つことすらできなかった。開始64秒のゴールと、そこからの長い守備。ひとつの試合の中に、パラグアイの大会がもう一度動き出す瞬間があった。
トルコ 0-1 パラグアイ。
小さなスコアである。だが、その中身は重かった。トルコには届かなかった一点の重さが残り、パラグアイには守り抜いた勝ち点3の熱が残った。
64秒で灯った火を、パラグアイは最後まで消さなかった。



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