ウズベキスタン 1-3 コロンビア|初めてのゴールと、経験で突き放した黄色の群れ

ウズベキスタンにとって、これは初めてのワールドカップであった。

その事実だけで、試合の見え方は少し変わる。強豪コロンビアを相手に、どこまで自分たちのサッカーを出せるのか。初出場の国が、世界の舞台でどんな表情を見せるのか。スコアだけを追う試合ではなく、ひとつの国がワールドカップに足跡を残す瞬間を見る試合でもあった。

出典:Yahoo!ニュース – Yahoo! JAPAN

舞台はメキシコシティのエスタディオ・アステカ。歴史あるスタジアムに、コロンビアの黄色いシャツが目立っていた。南米らしい声と熱気が、スタンドから試合を包み込む。ウズベキスタンにとっては、相手だけでなく、その空気そのものとも戦うような初戦だった。

前半、コロンビアは落ち着いていた。

ボールを持ち、試合を急がせず、自分たちのリズムを探していく。派手に畳みかけるというより、相手を動かしながら隙を待つような入り方だった。ウズベキスタンは深い位置で粘り、簡単には崩れない。初出場の緊張はありながらも、守備の集中は切れていなかった。

だが、前半の終わりが近づいたところで、コロンビアがこじ開ける。

40分過ぎ、ルイス・ディアスが左から柔らかいボールを送り、ダニエル・ムニョスが合わせた。0-1。ウズベキスタンがよく耐えていた時間の先に、コロンビアの技術がひとつ上回った場面だった。

出典:FIFA公式

この先制点には、経験の差が出ていたように見えた。コロンビアは慌てない。相手が引いても焦らず、決めるべき場面で決める。ワールドカップのグループステージをどう戦うかを知っている国の落ち着きがあった。

しかし、ウズベキスタンもただ飲み込まれたわけではない。

後半に入ると、少しずつ前へ出る姿勢が見え始めた。守るだけでは終われない。初めてのワールドカップで、ただ参加しただけでは帰れない。そんな思いが、プレーの中ににじんでいた。

そして60分である。

ショムロドフのシュートをコロンビアGKが弾き、そのこぼれ球にアボスベク・ファイズラエフが反応した。頭で押し込む。1-1。ウズベキスタンにとって、ワールドカップ史上初めてのゴールである。

この瞬間は、勝敗とは別の場所に残るものだった。

初出場の国が、世界の舞台で初めてゴールを決める。そこには、長い予選を越えてきた時間がある。国内で待っていた人たちの顔がある。サッカーの歴史の中では小さな一点かもしれないが、その国にとっては忘れられない一点になる。

見ている側の気持ちも、少しウズベキスタンへ寄った。コロンビアが強いことは分かっている。だが、初めての舞台で追いついた国の姿には、自然と心が動く。もう少しこの時間が続いてほしい。そう思わせる同点弾だった。

出典:FIFA公式

しかし、その余韻は長く続かなかった。

65分、コロンビアはすぐに返す。グスタボ・プエルタのパスからルイス・ディアスが抜け出し、冷静に決めた。1-2。

先制点を演出したディアスが、今度は自らゴールを奪う。ウズベキスタンが初ゴールの喜びに包まれた直後、コロンビアは現実を突きつけた。

出典:Vietnam.vn

ここに、強いチームの怖さがある。

相手が盛り上がった時間を、そのまま相手のものにさせない。追いつかれても慌てず、すぐに勝ち越す。試合の流れが一瞬ウズベキスタンへ傾いたように見えたところで、コロンビアはあっさりと重心を戻した。

それでもウズベキスタンは、最後まで諦めなかった。

終盤には前へ出て、もう一度同点を狙った。シュートが枠を外れ、クロスがわずかに合わず、遠い位置からの一撃がバーを叩くような場面もあった。結果だけを見れば3-1の敗戦である。だが、終盤のウズベキスタンには、初出場国らしい遠慮はなかった。負けていても、まだ何かを起こそうとしていた。

その姿勢は悪くなかった。

ただ、最後に試合を締めたのもコロンビアだった。後半アディショナルタイム、クチョ・エルナンデスが右サイドで粘り、クロスを送る。そこにハミントン・カンパスが合わせて3点目。1-3。ウズベキスタンが同点を求めて前に出たあと、コロンビアが最後の一撃で試合を閉じた。

コロンビアは、派手に圧倒したわけではない。

むしろ、試合の内容には重たい時間もあった。攻撃が滑らかに流れ続けたわけでもなく、ウズベキスタンに押し返される時間もあった。それでも、必要なところで点を取った。ムニョス、ディアス、カンパス。勝負どころで決め切る力が、スコアに表れた。

この勝利で、コロンビアはグループKの初戦を勝ち点3で終えた。同じグループではポルトガルがコンゴ民主共和国と引き分けている。そう考えると、コロンビアにとってこの3点は大きい。内容に課題があったとしても、初戦で勝ち切った意味は小さくない。

一方のウズベキスタンには、敗戦の中にも確かな記憶が残った。

初めてのワールドカップ。初めてのゴール。ファイズラエフの名前は、この国のサッカー史に刻まれる。勝ち点は得られなかったが、ただ敗れたわけではない。追いついた時間があり、最後まで前へ出た時間があった。

ワールドカップでは、勝った国だけが物語を持つわけではない。

この試合には、勝者コロンビアの経験と、敗者ウズベキスタンの新しい一歩が同時にあった。黄色に染まったアステカで、コロンビアは現実的に勝ち点3をつかみ、ウズベキスタンは初めてのゴールという灯を持ち帰った。

1-3。

数字だけなら、コロンビアの順当な勝利である。だが、その間に挟まれた1点は、ウズベキスタンにとって決して小さくない。

負けた国にも、消えない光が残る試合だった。

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