カナダが、カタールを6-0で下した。
大差の試合である。しかも、ただの大勝ではない。カナダにとっては、男子ワールドカップで初めて手にした勝利だった。開催国として迎えた大会で、自国の観客の前で、はっきりと歴史を動かした夜である。
グループ第2戦である。
初戦でボスニア・ヘルツェゴビナと引き分けていたカナダにとって、この試合は勝ち点3を取りにいくべき一戦だった。勝てば勝ち点4。グループ突破へ大きく近づく。引き分けなら、最終戦のスイス戦に重いものを残す。そういう試合で、カナダは迷わなかった。
16分、サイル・ラリンが先制する。
出典:サッカーダイジェストWeb
この一点で、スタジアムの空気は一気に変わったはずである。カナダは2022年大会で得点こそ生まれたが、勝利には届かなかった。その国が、ホームで先に点を取る。しかも第2戦、勝ち点が大きな意味を持つ試合である。早い時間の先制点は、カナダの足取りを軽くした。
その後、試合はさらにカナダのものになっていく。
29分、ジョナサン・デイヴィッドが追加点を決める。カナダの攻撃は、勢いだけでなく、相手の崩れを見逃さない鋭さがあった。カタールは33分にホマム・アハメドが退場し、10人になる。前半の段階で、試合のバランスは大きく傾いた。
それでも、ワールドカップで6-0というスコアになるには、単に相手が崩れただけでは足りない。
決め切る側の集中がいる。緩めない姿勢がいる。カナダにはそれがあった。
出典:ライブドアニュース – Livedoor
前半アディショナルタイム、デイヴィッドがこの日2点目を決める。3-0。前半だけで試合の大勢は決まったようにも見えた。
だが、後半には別の痛みも待っていた。
53分、カタールのアシム・マディボが危険なタックルで退場となる。その場面でカナダのイスマエル・コネが重傷を負い、担架で運ばれた。歓喜へ向かっていた試合の中に、突然、重い沈黙が落ちた。
出典:スポーツブル
ワールドカップの勝利は大きい。だが、仲間がピッチを去る姿を見る時間は、どんな大勝の中でも胸に残る。
その後、コネに代わって入ったネイサン・サリバが64分に決める。
このゴールには、数字以上の意味があった。4点目というだけではない。仲間の負傷で揺れたチームが、もう一度前を向くような一点だった。サリバがコネのユニフォームを掲げた場面には、大勝の派手さとは違う、チームの静かな結束がにじんでいた。
75分にはオウンゴールで5点目。さらに後半アディショナルタイム、デイヴィッドがハットトリックを完成させる。6-0。カナダは最後まで攻めを止めなかった。
ジョナサン・デイヴィッドの3得点は、カナダの夜を象徴するものだった。開催国のエースが、ホームのワールドカップでハットトリックを決める。そこには、国のサッカーが一段階進んだような感触がある。サイル・ラリンも決め、サリバも決めた。名前が並ぶほどに、この勝利が一人の力だけではなく、チーム全体でつかんだものだったことが見えてくる。
カタールにとっては、厳しすぎる試合だった。
2人の退場があり、長い時間を9人で戦うことになった。点差も大きく開いた。2022年大会では開催国として世界の視線を受け、この大会では自力で出場権をつかんできたチームである。だが、この夜はあまりにも苦しかった。試合の中で立て直す余地を失い、カナダの勢いを止められなかった。
ただ、大差の試合ほど、敗れた側の表情は見えにくくなる。
6-0という数字は残酷である。けれど、その数字の向こうには、退場で壊れていった試合、負傷で張り詰めた空気、どうにも止められなくなった時間がある。カタールには、最終戦へ向けて、技術や戦術以前にもう一度チームの心を整える作業が必要になるだろう。
カナダは、この勝利で勝ち点4となった。
グループ突破へ、大きく近づいた。第2戦で勝ち点3を積み上げることの意味は大きい。初戦の引き分けを、ここで価値あるものに変えた。最終戦のスイス戦へ向かう表情も、かなり違ってくるはずである。
ただ、この夜を単純な祝祭としてだけ書くのは少し違う気がする。
もちろん、カナダにとって歴史的な勝利である。初勝利。6得点。デイヴィッドのハットトリック。ホームの歓声。どれも忘れがたい。しかし、その中心にはコネの負傷という痛みもあった。勝ち点3を得た喜びと、仲間を失ったような不安。その両方が同じピッチにあった。
出典:www.starnewskorea.com
ワールドカップの試合は、きれいな感情だけで終わらないことがある。
このカナダ 6-0 カタールもそうだった。開催国が初めて勝った夜であり、チームが勝ち点4へ進んだ夜であり、同時に胸の奥に少し重さを残す夜でもあった。
それでも、カナダは前へ進んだ。
勝ち点4という数字は、グループBの景色を変えた。大きな歓声の中で、カナダは初勝利を刻み、次の試合へ向かう。派手な6点の向こうに、開催国としての覚悟と、仲間への思いが静かに残っていた。





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