チェコ 1-1 南アフリカ|勝ち点1を分け合い、まだ消えなかった灯

チェコと南アフリカの試合は、1-1の引き分けに終わった。

グループ第2戦である。初戦を落としていた両チームにとって、この試合はただの一試合ではなかった。勝てば息を吹き返す。負ければ、かなり苦しくなる。そういう重さが、試合の前から漂っていた。

だからこそ、チェコの先制点は早かった。

開始5分、ミハル・サディレクがゴールを決める。南アフリカの入りが少し重く見えたところを、チェコが逃さなかった。立ち上がりの一瞬で試合が動く。

出典:FIFA公式

ワールドカップでは、こういう早い時間の一点が、その後の90分を大きく変えてしまう。

チェコにとっては理想的な始まりだったはずである。

初戦の韓国戦では先に点を取りながら逆転を許した。だからこそ、この試合では先制後の時間をどう過ごすかが大事だった。チェコは早い段階でリードを手にし、試合を自分たちの方へ引き寄せたように見えた。高さもあり、セットプレーにも迫力がある。南アフリカにとっては、簡単に前へ出られない時間が続いた。

ただ、チェコは追加点を取れなかった。

ここが、この試合の分かれ目だったように思う。1-0のまま時間が進む。リードしている側は、無理をしなくてもいい。しかし、無理をしない時間が長くなるほど、どこかで相手に余地を残してしまう。チェコは勝ち点3に近づいていたが、完全には試合を閉じられていなかった。

南アフリカは苦しかった。

初戦では開催国メキシコに敗れ、この第2戦でも早い時間に失点した。流れだけを見れば、また押し込まれて終わってしまいそうな空気もあった。けれど、南アフリカは崩れなかった。

出典:Yahoo!ニュース – Yahoo! JAPAN

派手に試合を支配したわけではない。攻撃が滑らかに続いたわけでもない。それでも、どこかで一点を探し続けていた。

第2戦の勝ち点1には、初戦とは違う重みがある。

初戦の引き分けなら「悪くない」と言えることもある。だが、初戦を落とした後の第2戦で得る勝ち点1は、もっと切実である。勝てなかった悔しさと、負けなかった安堵が一緒に残る。南アフリカにとって、この試合はまさにそういうものだった。

83分、試合が動いた。

パベル・シュルツのハンドで南アフリカにPKが与えられる。キッカーはテボホ・モコエナ。終盤のPKである。外せば、そのまま敗戦が近づく。決めれば、グループに踏みとどまれる。そういう場面で、モコエナは決めた。

出典:FIFA公式

1-1。

南アフリカが追いついた。

この一点は、きれいな流れから生まれたゴールではないかもしれない。だが、ワールドカップでは、そういう一点が国を救うことがある。PKであっても、終盤に決めるには強さがいる。モコエナのゴールは、南アフリカの大会をぎりぎりのところでつなぎ止めた。

チェコにとっては、重い失点である。

開始早々に先制し、長い時間リードしていた。勝ち点3が見えかけていた。だが、その勝ち点3は、最後のところで勝ち点1に変わった。負けたわけではない。しかし、勝てなかったという感触は残る。第2戦での引き分けは、時に敗戦に近い悔しさを持つ。

試合終盤には、両チームにもう一度勝ち越しの可能性があった。

引き分けでよしとするには、両者とも状況が軽くない。勝ち点1だけでは、まだ安心できない。だから最後の時間帯には、どこか開き直ったような空気もあった。慎重でありながら、勝ち点3を諦めきれない。第2戦らしい、苦い時間だった。

結果は1-1。

チェコは勝ちきれなかった。南アフリカは負けなかった。言い方を変えれば、どちらも完全には救われず、どちらも完全には終わらなかった試合である。

出典:エキサイト

グループAは、これで最終戦へ向かう。チェコはメキシコ戦、南アフリカは韓国戦を残す。状況は簡単ではない。だが、どちらにもまだ道は残っている。第2戦で分け合った勝ち点1は、小さく見えて、まだ大会に踏みとどまるための命綱になった。

ワールドカップには、勝者のいない試合でも、強く記憶に残るものがある。

この試合は、華やかな名勝負というより、消えかけた灯を両者が必死に守ったような一戦だった。チェコは勝ち点3を逃し、南アフリカは勝ち点1を拾った。同じ1-1でも、試合後の表情はきっと違ったはずである。

それでも、両チームはまだ大会の中にいる。

その事実だけが、静かに残った。

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