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鑑賞ノート
『MW-ムウ-』二人をつなぐ糸が抜かれた映画
『MW-ムウ-』(2009年)は、一本のサスペンス映画として面白かった。最後まで退屈しなかった。ただ、観終わっても「手塚治虫の作品を観た」という感じが残らなかった。 原作は読んでいない。何が足りなかったのかは、後から原作のことを調べて、少し分か... -
鑑賞ノート
『メトロポリス』(1927)の機械人間は、顔を持つ前がいちばん美しい
『メトロポリス』を観て、いちばん目を奪われたのは、マリアの姿になる前の機械人間だった。人間の皮膚をまとう前の、金属の体のままのロボット。百年近く前の映画なのに、あの造形はいまも十分に美しい。 ただ、観終わってから考えると、このロボットが美... -
鑑賞ノート
『ある閉ざされた雪の山荘で』主人公を知らないまま、雪の山荘に入った
東野圭吾の原作で、雪に閉ざされた山荘が舞台。謎解きが面白そうだと思って観始めた。観終わって残ったのは、謎を解いた満足ではなかった。どんでん返しを重ねた救済劇を、少し離れた場所から眺めていたような感覚だった。以下、結末に触れる。 謎解きの映... -
鑑賞ノート
『クロコーチ』は面白かった。だからこそ、あの最終回はすっきりしない
『クロコーチ』は面白いドラマだった。長瀬智也の悪徳刑事は今見ても魅力的だし、三億円事件を警察内部の犯罪として描き直す発想にも引きこまれた。それでも、見終わった感想を一言でいえば「すっきりしない」になる。最終回で、物語が閉じないまま終わっ... -
鑑賞ノート
北川景子目当てで見て、風祭警部に持っていかれた『謎解きはディナーのあとで』
『謎解きはディナーのあとで』は、正直に言うと北川景子さん目当てで見た。確かに可愛いとは思う。ただ、そこまで推しというわけでもない。見終わって一番面白かったのは、意外にも椎名桔平さんの風祭警部だった。 櫻井翔さんの毒舌執事・影山と、北川景子... -
鑑賞ノート
『歌舞伎町シャーロック』推理落語より、笑えなくなっていく後半が好きだ
『歌舞伎町シャーロック』を見たのは、シャーロックものに続けてハマっていた時期だった。 ディーン・フジオカの『シャーロック』、ベネディクト・カンバーバッチの『SHERLOCK』、竹内結子の『ミス・シャーロック』。どれも面白くて、その流れでこのアニメ... -
鑑賞ノート
『33分探偵』は、推理ドラマの顔をした「毎度バカバカしいお笑い」だった
『33分探偵』は推理ドラマの顔をしているが、中身は寄席などでよく使われる「えー毎度バカバカしいお笑いを」に近い。(寄席に行ったことはないが・・・)事件は冒頭でほぼ終わっている。犯人は現行犯で捕まるか、自首している。そこへ探偵の鞍馬六郎が現... -
鑑賞ノート
「なんとかしろよ」と言われた側から見る『Heaven?〜ご苦楽レストラン〜』
正直に言うと、『Heaven?〜ご苦楽レストラン〜』を見始めたのは、石原さとみが主演だったからだ。きれいな女性がコメディを演じるのを見るのが好きなのだ。 見てみると、飲食店のドラマとしてはかなり嘘が多い。墓地の中にフレンチレストランを開き、シェ... -
お店と日々
店を閉めたあとの時間に
店を閉めたあと、店の中で本を読んだり、文章を書いたりしている時は、だいたいクラシックが流れている。 特別にクラシックに詳しいわけではない。ただ、一日の終わりに流しておくには、いちばん邪魔にならない音なのだと思う。 その音に混じって、台下冷... -
鑑賞ノート
降りるまでの40分がいい――『地底探検』(1959)
1959年の映画『地底探検』は、地底に着くまでがいちばん面白かった。地底に入ってからは、正直なところ少し気分が落ちた。それでも観終わってみると、古い冒険映画らしい味わいはちゃんと残っている。この映画については、その両方を書いておきたい。原作...