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鑑賞ノート
『なぞの転校生』 怖さとわくわくの間に、平和な場所はなかった
1975年にNHKの少年ドラマシリーズで放送された『なぞの転校生』を見た。1話約25分、全9話。 少し怖くて、わくわくする。けれど見終わって残ったのは、どこへ行っても完全に平和な場所はないのだという冷たさだった。 以下、物語の結末に触れる。 どんな話... 鑑賞ノート
『燃えよ剣』は一回でわからなくていい――早足の幕末に、もう一度付き合いたくなる
原田眞人監督の『燃えよ剣』は、一回観ただけでは全部わからない。言葉は難しいし、話はどんどん先へ進む。 それでも観終わって最初に思ったのは「もう一回観よう」だった。わからなさが不満で終わらず、次に観る理由になる。この映画のいちばんの良さは、... 鑑賞ノート
『多羅尾伴内 片目の魔王』を見て・・・「藤村大造」と名乗られて、誰?と思った
昔から「多羅尾伴内」という名前だけは知っていた。どんな映画なのかは、ほとんどわからなかった。探偵ものであることぐらいだ。今回やっと見てみて、ああ、こういう感じか、とわかった。それがいちばんの収穫だった。 「片目の魔王」は、そういう名前の何... 鑑賞ノート
『最も危険な遊戯』ハードボイルドな殺し屋の、だらしない締めくくり
『最も危険な遊戯』で一番よかったのは、銃撃戦ではなかった。最後に鳴海が、女の乗った車を追いかけて走る場面だ。 あれを切ない恋の結末として見る気にはなれない。振られた男が愚痴をこぼしながら走っている。そう見えたから、笑ってしまった。 話の筋... 鑑賞ノート
退屈だった。それでも『パノラマ島奇譚』には乱歩の執念が残っている
江戸川乱歩の『パノラマ島奇譚』をAudibleで聴いた。 正直に言えば、パノラマ島の描写が長すぎた。物語の続きが気になっているのに、いつまでたっても島の風景が語られる。 結局、朗読を2倍速にして聴いてしまった。それでも、この作品に対する乱歩の並々... 鑑賞ノート
『地味にスゴイ!校閲ガール』 ファッションショーより、校閲の手順がおもしろい
『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』を見返した。2016年の放送当時にも見ているが、今回いちばんおもしろかったのは恋愛でもファッションでもなく、校閲という仕事の手順そのものだった。 理由ははっきりしている。あの作業は、ブログを書いたあとに自... 鑑賞ノート
「森蘭丸」(1955) 悲恋だけでは終わらない、本能寺の大立ち回り
1955年公開の『森蘭丸』は、森蘭丸とおたきの悲恋を描いた時代劇である。 しかし、観終わって強く印象に残ったのは、最後の10分間に繰り広げられる本能寺の大立ち回りだった。そこに中村扇雀(二代目)の舞や、美しいカメラワークも加わる。恋愛劇という枠... 鑑賞ノート
感謝祭のごちそうは、煮た靴だった――『黄金狂時代』の笑いと飢え
1925年に公開された『黄金狂時代』で、いちばんよく知られているのは、空腹のチャーリーが自分の靴を煮て食べる場面だ。靴紐をスパゲッティのように巻き取り、靴底の釘を骨のようにしゃぶる。何度見ても笑ってしまう。 だが、この場面のもとになったのは笑... 鑑賞ノート
一目惚れの理由は髪の短さか・・・――『ティーンコート』の剛力彩芽
前に一度見た『ティーンコート』を、どんな話だったのかちゃんと知りたくて見返した。 最初に見たのは配信で見られるようになってからなので、ほんの数年前のことだ。そのときは、剛力彩芽がかわいかったことしか覚えていなかった。今回は話を追うつもりで... 鑑賞ノート
大河ドラマ『樅ノ木は残った』(1970)総集編。宇乃が出るたびに広瀬すずを思い出した
1970年のNHK大河ドラマ『樅ノ木は残った』を、総集編で見た。 平幹二朗の原田甲斐は良かった。ただ、見終わって残ったのは甲斐本人よりも、甲斐のまわりにいる人たちの顔と声だった。 甲斐という人物そのものは、少し前に聞いた山本周五郎の短編『晩秋』の...









