2010年代– tag –

2010年代は、物語の消費形態と製作手法が決定的なパラダイムシフトを迎えた時代である。映画界では「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」に象徴される巨大なシェアード・ユニバースが覇権を握る一方、配信プラットフォームの隆盛が映画とドラマの境界を曖昧にし、かつての「銀幕」の定義を根底から揺さぶり始めた。日本国内においては、東日本大震災以後の「喪失」と「祈り」が表現の深層に流れ続け、それはアニメーションにおける極彩色の情景描写や、実写作品におけるリアリズムの再構築へと結実していく。技術的には完全なるデジタル移行を経て、4K/8Kといった高精細な映像が日常化する中で、作り手たちは「情報過多な画面」をいかに制御し、観客の情緒に訴えかけるかという新たな課題に向き合うこととなった。本タグでは、SNSによるリアルタイムな共感性が物語の価値を左右し始めたこの10年の軌跡を、演出の意図と時代精神の相関から深く考察する。

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