ピーター・ローレ– tag –

大きく見開かれた瞳と、哀愁と狂気が入り混じる独特の声音。一度見たら決して忘れられない強烈な個性を放ち、映画史において「最も偉大な異端の俳優」の一人として語り継がれるピーター・ローレ。
フリッツ・ラング監督の傑作『M』で見せた、自分の衝動を抑えきれない殺人鬼の悲哀に満ちた演技は世界に衝撃を与え、人間の心の深淵を覗き込むような圧倒的なリアリティを生み出しました。
その後ハリウッドに渡り、『マルタの鷹』や『カサブランカ』といったフィルム・ノワール(暗黒街映画)などで、狡猾でありながらもどこか憎めない、複雑で影のあるキャラクターを数多く演じています。
ここでは、作品の空気を一瞬で不穏なものに変え、同時に人間の脆さをも体現する、ピーター・ローレという俳優の唯一無二の魅力とその足跡を深掘りします。