グスタフ・フレーリッヒ– tag –
グスタフ・フレーリッヒは、1920年代のヴァイマル共和国(ドイツ)映画において、若々しい情熱と生命力を体現した俳優である。彼の名を映画史に永遠に刻み込んだのは、フリッツ・ラング監督によるSF映画の金字塔『メトロポリス』(1927年)における主人公フレーダー役であろう。摩天楼の頂点に君臨する冷徹な父ヨハン・フレーダーセン(アルフレート・アーベル)とは対極的に、地下深くの過酷な労働環境を知り、頭脳(支配者)と手(労働者)を繋ぐ「心(媒介者)」として奔走する彼の姿は、無機質なディストピア世界における人間的な希望の象徴であった。アーベルの極めて抑制された知的な演技に対し、怒りや悲哀といった感情を全身の大きなアクションで剥き出しにするフレーリッヒの熱演は、サイレント映画ならではの身体的ダイナミズムを生み出している。本タグでは、機械化の波が押し寄せる不安の時代において、彼がスクリーン上でいかに「人間の生々しい熱情」を表現し、作品の根源的なテーマを牽引したのかを考察していく。