江戸川乱歩– tag –
日本の本格推理小説の草分けにして、怪奇と幻想、そして人間の心の闇を深く抉り出した「大乱歩」こと、江戸川乱歩。
名探偵・明智小五郎が鮮やかに事件を解決する論理的な謎解きから、『陰獣』や『パノラマ島奇談』、あるいは猟奇的な狂気が渦巻く『地獄の道化師』などに代表される妖しい迷宮世界まで、その圧倒的な想像力は多岐にわたります。
彼が紡ぎ出す物語は、単なる犯罪の記録に留まらず、人間の抑圧された欲望やフェティシズム、変身願望といった深層心理をあぶり出し、読む者を美しくも恐ろしい見世物小屋的な空間へと誘い込みます。また、その独特の視覚的なイメージ喚起力は、数多くの映画監督やクリエイターたちを魅了し続けてきました。
ここでは、活字の奥に広がる狂気と美学、そして幾度となく試みられてきた映像化作品との比較も交えながら、時代を超えて私たちの好奇心を刺激し続ける江戸川乱歩の奥深い世界を徹底的に考察していきます。
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エッセイ
選ばなかった人生を想う夜――江戸川乱歩『モノグラム』を読んで
「結婚しないの?」と聞かれることがある。私はいつも笑って答える。「今の生活に満足しているから」と。 この言葉への反応はさまざまだ。「それもいいね」と言う人もいれば、「一度くらいはしてみれば」と軽く言う人もいる。けれど私は、今の暮らしをけっ... -
本の考察(読書録)
『幽霊』考察|怪奇はなぜ裏切られるのか——乱歩が仕掛けた三段構造
はじめに 江戸川乱歩の作品には、ある種の共通した構造がある。 それは、読者に怪奇を信じさせておいて、最後にそれを裏切るという構造である。 最初は幽霊や異様な存在として提示されるものが、物語の終盤で一気に現実へと引き戻される。その落差こそが、...
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