ドワイト・フライ– tag –

1930年代のユニバーサル・ホラー黄金期において、主役の怪物以上に観客の網膜へ強烈な狂気を焼き付けた名脇役、ドワイト・フライ。トッド・ブラウニング監督の『魔人ドラキュラ』(1931年)における狂人レンフィールド役や、ジェイムズ・ホエール監督の『フランケンシュタイン』(1931年)におけるせむし男の助手フリッツ役によって、彼は「狂った主人の忠実なる下僕」という映画史上のアーキタイプをただ一人で決定づけた存在である。

元々は演劇界で培った確かな実力を持つ俳優であったが、甲高い引きつった笑い声や、焦点の定まらない眼差し、痙攣するような肉体の動きなど、あまりにも見事な精神崩壊の表現が仇となり、生涯にわたって怪奇的な役柄に縛られ続けた。これはハリウッドにおけるタイプキャストの残酷さを象徴する悲劇でもある。

本タグでは、ピーター・ローレらとも通底する、人間の脆さと狂気が紙一重であることを生々しく体現したフライの特異な演技メソッドに注目する。不気味なゴシック空間の中で彼が放った異様な熱量と、その裏側に潜む一人の俳優としてのペーソスを交えながら、古典ホラー映画の画面構築において彼が果たした、決して代替不可能な役割を深く考察していく。