数年前に、店の冷暖房設備をリース契約した会社がある。
今日はその点検の日で、いつものように担当の方が店に来てくれた。
この方は、点検のついでに店の奥にあるホシザキ製の大型冷凍冷蔵庫も毎回さっと見てくれる。業務用の機械は、壊れてから慌てるより、普段から気にかけてくれる人がいるだけで、こちらの気持ちがずいぶん楽になる。
そんな雑談の流れで、最近調子の悪いエコキュートの話をした。
もう20年近く使っていて、たまにエラーが出る。完全に壊れたわけではないが、「いつ止まってもおかしくない」という雰囲気だけは、確実に漂っている。
するとその方も、「実は自分の家のエコキュートも、同じくらい使っていて、エラーが出始めたので交換したんですよ」と話してくれた。その一言で、頭の中にずっと引っかかっていた疑問が、少しだけ形になった。
――エコキュートって、リースできないんだろうか。
そんな相談をしているうちに、今度は店の奥の冷凍冷蔵庫のことを思い出した。
2年前、冷凍庫側のファンが2つあるうちの1つが止まり、修理をしたことがある。あのとき、ホシザキの点検の人から「もう15年経ってますから、気をつけて使ってくださいね」と言われた言葉が、急に現実味を帯びて戻ってきた。
エコキュートは約20年。
冷凍冷蔵庫は約15年。
どちらも、今すぐ本格的に壊れているわけではない。
けれど「あと何年もつか」は、誰にもわからない状態だ。
自分のことを考えてみる。
この先、元気に働ける年数が10年あるとして、その間に「いつか必ず替えなければならない日」は、ほぼ確実にやってくる。材料費はこれからも上がるだろうし、工事費だって安くなる理由は見当たらない。
だったら――
どうせ替えるなら、まだ余力のある今、決めてしまおう。
そう思ったのが、2週間前。
エコキュートと業務用冷凍冷蔵庫を、まとめてリース契約することにした。
2月16日。
ランチ営業を終えたあと、いつも通り買い出しを済ませてから、冷凍冷蔵庫の中身を移す作業を始めた。台下冷蔵庫と、自宅にある冷凍庫を総動員して、なんとか収める。そして冷蔵庫の搬入に邪魔な棚なども別の場所に移動した。その際に棚の下からなつかしいものを発見。(只今往診中)
休憩時間はこれを表に置いとけば・・・🤪


その作業が終わってから、確定申告をネットで完了させ、簡単に食事をして、そのまま就寝。
少し疲れていたが、不思議と気持ちは落ち着いていた。
そして昨日、2月17日。
朝10時から、店の大型冷凍冷蔵庫と、自宅のエコキュートの交換工事が始まった。
大型冷凍冷蔵庫とエコキュートを同時に交換するとなれば、作業はそれなりに大がかりになる。ただ、事前の説明では「早ければ13時、遅くても15時くらいには終わると思います」とのことだった。
こちらも冷凍冷蔵庫を替えると決めてからは、できるだけ在庫を抱えないようにしてきた。作業が終わったら買い出しをして、たまっていた仕込みを一気に進める――そんな一日の段取りを、頭の中で組んでいた。
当日、作業に来てくれたのは4人。
3人は店の大型冷凍冷蔵庫の交換を担当し、もう1人は自宅側でエコキュートの取り外しに向かい、エアー抜きや水抜きから作業を始めていた。
冷凍冷蔵庫の交換は、ほぼ想定どおりの流れだった。
駐車場のど真ん中にクレーン機能付きの大型トラックを据え、足場を固め、クレーンで新しい冷凍冷蔵庫を降ろし、古いものを積み込む。1時間半ほどで完了したが、改めて見ると、なかなかに大がかりな作業である。


ここまでは順調だった。
冷凍冷蔵庫の搬入が大方終わったところで、今度はエコキュートの設置作業に移る。
もともと付いていたエコキュートはスリム型で、家の裏手にあり、そこへ行く通路は正直かなりギリギリの幅だった。交換を決めた際に事前に測って「問題ない」ということでゴーサインを出していたのだが、測った側の手違いなのか、機械の手配ミスなのか、運ばれてきたのはスリム型ではなく、従来型の厚みのあるタイプだった。
設置場所自体には何とか置ける。
ただ、そこへ至るまでの通路に入らない。
一瞬、空気が止まった。
幸いだったのは、家の裏、エコキュートが置かれているすぐ隣が駐車場だったことだ。駐車場の持ち主に事情を説明し、許可をもらい、そこにクレーン車を設置。クレーンでエコキュートを吊り上げ、家の裏へと運び入れることになった。結果的に、こちらもかなり大がかりな作業になってしまった。
エコキュートの設置は業者の方に任せ、その間に私は店に戻り、冷凍冷蔵庫の中身を戻す作業を始めた。
ちょうどそれが終わる頃、エコキュートの設置も完了し、電気工事と水道工事に入った。時計を見ると、すでに午後1時を過ぎている。
「ここから2時間ほどかかります」と言われ、その間に買い出しへ行くことにした。
買い出しから戻ってきた頃には、工事はほぼ終わっていた。ただ一つ、ブレーカーの場所を事前に伝えていなかったため、通電は私が戻ってからになった。
ブレーカーを上げ、「これで終わりだな」と思った、その直後。
エコキュートに電源が入らない。
その時点で、電気工事の方はすでに次の現場へ向かっていて、水道工事の方が状況を確認してくれたが、電気が通らない原因は専門外で分からないとのこと。結局、別の現場に行っていた電気工事の方と、冷凍冷蔵庫の搬入を手伝ってくれていた社長が、再び戻ってくることになった。
再集合したのが、午後5時。
そこから先、正直なところ、何をどう直したのかはよく分からない。
ただ、何度か確認を重ね、配線を見直し、最終的に使えるようになったのが午後6時を少し過ぎた頃だった。
その間、私は店で仕込みをしていたので、個人的には大きな時間ロスはなかった。
それでも、振り返れば、なんとも長い一日だった。
朝から夕方まで、約8時間。
作業にあたってくれた皆さんには、ただただ感謝しかない。
新しい機械が動き出したというより、
この店の時間が、また少し先へ進んだ気がしている。
この先、何年仕事ができるのかはわからないし、
正直、いつまで元気でいられるのかもわからない。
冷凍冷蔵庫は15年ほど、エコキュートは20年ほどは持つだろう。
その頃には、私も70前後になっている計算だ。
エコキュートはともかく、
この冷凍冷蔵庫は、おそらくこれが最後の交換になる。
そう思うと、少しだけ複雑な気持ちにもなる。
それでも、とりあえずは心機一転。
また今日から、できるところまで、頑張ってみようと思う。
コメント